イノシシの行動特性を利用した新捕獲技術
- プロジェクト名
- 野生鳥獣被害拡大への対応技術の開発
- 分野
- 鳥獣対策
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- アイエスイー(株)、兵庫県立大学、三重県農業研究所、タイガー(株)
- 研究期間
- 平成28年度~令和2年度
- PDF版
- 野生鳥獣被害拡大への対応技術の開発
研究概要
侵入防止策と新型センサー搭載の箱わなで被害9割低下も
イノシシ等野生動物の警戒心を利用した新型の箱わなやセンサーを開発しました。
イノシシが警戒心から箱わなの外へ後肢を残すことや、自ら扉を押し開けると警戒が抑えられることが分かり、これらの行動特性を利用して捕獲率を向上しています。
また、野生動物の体長を測定して成獣を選択的に捕獲可能な新型センサーは、開発時から普及が進み、1,200基以上が国内に導入されています。
防護柵などと組み合わせた総合的な対策を進め、農作物の被害減少が期待されます。

研究背景
野生動物による農業被害を防ぐためには、適切な環境管理や防護柵の設置など侵入防止策を実施した上で、加害個体を確実に捕獲することが重要です。「箱わな」は比較的実践しやすい手法ですが、自治体が把握している箱わなの半数以上が年間1頭も捕獲できていない現状があります。
このため、捕獲できない問題点を動物の行動から明らかにし、ICTを組み合わせ捕獲率を高めるとともに、地域で取り組みやすい軽量かつ低コストな箱わなの開発を目指しました。また、侵入防止対策との組み合わせによる地域ごとの対策を検討しました。

主要成果
- 後肢を残す、自ら侵入すると慣れるなどイノシシ等の行動特性を踏まえた箱わなを開発
➔ 「取り逃がし」が減少し、警戒心の強い個体を捕獲することで捕獲期間を短縮 - 成獣を選択的に捕獲可能で餌付時から赤外線に慣れさせる機能搭載のセンサーを開発
➔ 新型センサーは、これまで1,200基以上導入 - 柵の適切な設置・管理でイノシシ・シカの被害を減少
➔ 箱わな等と合わせて総合マニュアル化、地域の取組推進

この研究についてのお問い合わせ先
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農林水産技術会議事務局 研究開発官(基礎・基盤、環境)室
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お問合せ先
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