需要高まる薬用作物の省力安定生産技術
- プロジェクト名
- 薬用作物の国内生産拡大に向けた技術の開発
- 分野
- 薬用作物
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 医療基盤・健康・栄養研究所、山形県、静岡県、三重県、奈良県、徳島県、佐賀県、宮崎県、県立広島大学、千葉大学、福島県立医科大学、十勝農業協同組合連合会、(株)夕張ツムラ 等
- 研究期間
- 平成28年度~令和2年度
- PDF版
- 薬用作物の国内生産拡大に向けた技術の開発
研究概要
薬用作物栽培を最大8割省力化、新たな産地形成、生薬の安定共有に期待
国内で需要が高まる薬用作物(トウキ、ミシマサイコ、カンゾウ、オタネニンジン、シャクヤク)の生産拡大に向けて、雑草対策や収穫機、栽培判断技術など、省力的かつ安定的に生産する技術を開発しました。
薬用作物を既存の地域の農業体系に導入し、収益を確保できる経営モデルを盛り込んだ手引きを活用して普及に取り組んでいます。中山間地域などで導入され、新たな産地の誕生が期待されます。

研究背景
漢方製剤等の原料となる生薬は国内需要の約9割を輸入に頼っていますが、輸入元の海外において環境保全等の観点から採取や輸出を規制する動きがあり、安定的な調達が難しくなりつつあります。
国内の中山間地域では、地域の活性化につながる作物として薬用作物栽培への関心が高まっていますが、一方で、薬用作物は収穫までに複数年かかるものが多く、使用できる農薬や機械が少ないことから、省力的な管理技術や、多様な気象・土壌条件に適した安定生産の方法が求められています。

主要成果
- カンゾウ収穫機やオタネニンジンの早期育苗など5品目で省力管理技術を開発
➔ 除草や収穫など作業時間を最大8割削減、オタネニンジンンの育苗期間を半減(2年→1年) - トウキの収穫適期推定プログラムや5品目の病害関連研究など安定生産技術を開発
➔ 省力化しても慣行栽培と同等以上の収量見込み - 栽培暦や既存の生産体系へ薬用作物の導入を図る経営モデル、技術マニュアルを作成
➔ 中山間地での新たに産地を形成し、地域の活性化、原料生薬の安定供給に期待

より詳細に知りたい方へ向けた参考情報
農研機構作成のマニュアル(農研機構ホームページ)
共同研究機関等作成のマニュアル
- 「国内生産拡大に向けた薬用作物の栽培技術(トウキ)」(医薬健栄研・薬植セ作成)
- 「国内生産拡大に向けた薬用作物の栽培技術(ミシマサイコ)」(医薬健栄研・薬植セ作成)
- 「とうき露地育苗における良苗生産・省力化技術マニュアル」(岩手農研作成)
- 「省力化・生産安定化に向けた薬用作物オタネニンジンの栽培手引き」(農研機構作成)
- 「薬用シャクヤク「べにしずか」の栽培の手引き~岡山県の中山間地編~」(医薬健栄研・薬植セ作成)
- ミシマサイコの薬用作物としての生育特性と栽培方法(長野県野菜花き試験場佐久支場作成)
2018年度作成の中間報告書(農研機構ホームページ)
農林水産省内の関連ページ
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FAX:03-3507-8794