遺伝子情報による重要病害虫迅速同定法
- プロジェクト名
- 有害動植物の検出・同定技術の開発
- 分野
- 農業(病害虫)
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 秋田県立大学、岐阜大学、龍谷大学
- 研究期間
- 平成27年度~令和元年度
- PDF版
- 遺伝子情報による重要病害虫迅速同定法(PDF : 1,473KB)
研究概要
数日要していた重要病害虫の同定を24時間以内に短縮
国内への侵入や分布拡大が懸念されている病害虫について、遺伝子情報による迅速な同定方法を開発し、見た目だけでは識別が難しい植物病変や昆虫の卵・幼虫なども、サンプルを採取してから24時間以内に種を同定できるようになりました。
この技術は今後、全国の植物防疫所等に導入され、植物検疫での検出力のさらなる向上や、国内侵入時の迅速な防除対策に活用され、国内への新たな病害虫の侵入リスクの低減に貢献することが期待されます。
研究背景
温暖化やヒト・モノの動きのグローバル化によって、新たな病害虫の侵入リスクが増大しており、植物検疫によって海外からの病害虫の侵入を阻止すること、また、万が一侵入した場合には速やかにその種を特定して防除することが重要です。
ところが、侵入病害虫のなかには、見た目だけでは識別が難しいものがあり、初動対策の遅れなどによる侵入リスクが高いことが懸念されます。そこで、見た目に依存しない遺伝子情報を用いた迅速な同定方法を開発することが求められていました。
主要成果
- 重要病害虫70種(トスポウイルスやアザミウマ類等)について、遺伝子情報による同定方法を開発
➔ 今後国内への侵入・分布が懸念されている病原菌について、これまで同定に数日以上要していたところ、24時間以内の迅速な同定が可能 - カンキツグリーニング病菌について、国内の個体群と海外の個体群を識別するための遺伝子マーカーを開発
➔ 国内の一部地域で発生している病害について個体群を正しく同定することで効率的な防除が可能 - 上記の情報をデータベース化
➔ データの整理・共有により防疫体制を強化
この研究についてのお問い合わせ先
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農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
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お問合せ先
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TEL:03-3501-4609(直通)
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