莢がはじけにくく収穫ロスが少ない大豆
- プロジェクト名
- 実需者等のニーズに応じた加工適性と広域適応性を持つ大豆品種等の開発
- 分野
- 農業(畑作)
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 岩手県、福島県、新潟県、長野県、愛知県、三重県、兵庫県、愛媛県、佐賀県、筑波大学
- 研究期間
- 平成26年度 ~30年度
- PDF版
- 莢がはじけにくく収穫ロスが少ない大豆(PDF : 1,556KB)
研究概要
加工適性、栽培方法はそのままに実質的収量4割増の事例も
主要大豆品種「フクユタカ」の収穫ロスを少なくするため、莢をはじけにくくする遺伝子をピンポイントで導入した品種「フクユタカA1号」を開発しました。実質的収量が増え、生産者の収益が増加するとともに、豆腐などへの加工適性は変わらず、実需者からも好評です。
愛知県では、令和2年より従来品種「フクユタカ」から「フクユタカA1号」へ全面的に置換え(4,500 ha)を開始しており、今後も全国的な拡大が見込まれます。実需者からの引き合いの強い国産大豆が安定的に供給されることで、国産農産物のさらなる需要拡大が期待されます。
研究背景
大豆は、豆腐など日本の食卓に欠かせない食品の原料ですが、自給率が低く、実需者のニーズに応えるには生産の拡大、安定供給が重要です。
大豆は成熟すると莢がはじけて子実を地面に落としてしまうため、収穫時に機械が莢をはじき飛ばし、収穫ロスによる収量減につながっていました。
そこで、莢がはじけにくく、栽培方法や加工適性は従来品種と同等の品種を短期間で育成することが求められていました。
主要成果
- DNAマーカーを利用して、莢をはじけにくくする遺伝子のみをピンポイントで導入した「フクユタカA1号」を短期間で育成
➔ 見た目や加工適性等の特徴は「フクユタカ」とほぼ同等で、栽培方法の変更は不要 - 難裂莢性で莢がはじけにくい
➔ 実質的な収量が最大4割向上することを収穫試験で確認 - 実需者による加工試験で、原品種「フクユタカ」とほぼ同等という評価
➔ 確実な需要が見込める
この研究についてのお問い合わせ先
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