お米のヒ素・カドミウムを同時低減する技術
- プロジェクト名
- 水稲におけるヒ素のリスクを低減する栽培管理技術の開発
- 分野
- 農業(水田作)
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 北海道、青森県、岩手県、秋田県、栃木県、埼玉県、千葉県、新潟県、富山県、長野県、滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、山口県、熊本県、島根大学、(株)住化分析センター
- 研究期間
- 平成25年度~29年度
- PDF版
- お米のヒ素・カドミウムを同時低減する技術(PDF : 1,354KB)
研究概要
ヒ素とカドミウムを同時に低減したお米の生産を可能とする技術、行政指針の策定に貢献
お米に意図せずして含まれるヒ素やカドミウムを同時に低減する栽培管理技術を開発し、行政指針等の策定に貢献しました(「コメ中のカドミウム低減のための実施指針」「コメ中ヒ素の低減対策の確立に向けた手引き」)。
今後、地域ごとに、カドミウムをほとんど吸収しないイネ品種の育成とヒ素を低減させる水管理を中心とした栽培管理技術の確立・実証が進み、技術が全国に普及することで、ヒ素やカドミウムがより少ないお米が生産されることが期待されます。

研究背景
自然環境中に広く存在するヒ素やカドミウムは、栽培によって作物に吸収されるため、様々な農産物が、意図せずしてごく微量のヒ素やカドミウムを含みます。
このような意図せずして食品に含まれる有害化学物質については、「生産から消費にわたり適切な措置を講じて合理的に達成が可能な範囲で食品に含まれる量をできるだけ低くすべき」というのが、国際的に合意された「リスク管理」の考え方です。日本人が食品から摂取するカドミウムとヒ素については、お米を通して摂取する割合が大きいことが明らかになっています。
イネの栽培では、水を張る(湛水)とヒ素が、逆に水を切らす(落水)とカドミウムが吸収されやすくなります。これらの正反対の性質を持つ有害元素を同時に低減する技術の開発が求められていました。

主要成果
- カドミウムをほとんど吸収しない品種を湛水と落水を繰り返して栽培することで、玄米中のカドミウム濃度を極めて低く保ちながら、ヒ素濃度を低減する技術を開発
➔ ヒ素とカドミウムの濃度が同時に低水準となるお米の栽培管理手法を提示 - 開発した技術が行政指針等に反映
➔ 科学的な根拠に基づいた行政指針等により、全国で普及に向けた現場実証が加速

この研究についてのお問い合わせ先
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農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
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お問合せ先
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担当:企画班
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