温州みかんの浮皮軽減技術
- プロジェクト名
- 地球温暖化が農業分野に与える影響評価と適応技術の開発
- 分野
- 農業(果樹)
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 和歌山県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県、鳥取大学 等
- 研究期間
- 平成22年度~26年度
- PDF版
- 温州みかんの浮皮軽減技術(PDF : 1,427KB)
研究概要
1回の薬剤散布で浮皮の発生程度を半減、商品果率を向上
温州みかんは我が国で最も生産量の多い果実ですが、近年の地球温暖化の進行により浮皮の多発が問題になっていました。
そこで、輸送・貯蔵中の腐敗や、食味に影響を及ぼす「浮皮」を軽減する技術を確立し、主産地である和歌山県や静岡県において効果が実証されました。
省力的な薬剤散布などの対策を体系化し普及することで、熊本県では導入する生産者が増加しており、散布面積が増加(平成26年:17ha→平成30年:165ha)しています。
研究背景
近年、西日本を中心として温州みかんの浮皮の発生が増加しています。浮皮とは、温州みかんにおいて著しく果皮と果肉が分離した状態で、この症状になると、果皮が傷つきやすくなるため「腐敗しやすい」、「輸送性が低下する」などの問題が発生します。温度が高いほど浮皮になりやすいことが示されており、地球温暖化がその原因として指摘されています。
今後、さらなる地球温暖化が予想されている中で、浮皮を軽減する技術の確立が求められていました。
主要成果
- 植物成長調整剤であるGa※とPDJ※の混合液1回の散布によって浮皮の発生を抑制する技術を開発(※Ga:ジベレリン、PDJ:プロヒドロジャスモン酸)
➔ 省力的かつ安定的に浮皮の発生程度を半減し、果実腐敗の低減により商品果率を向上 - 薬剤散布に伴う着色遅延に対応する技術を開発(貯蔵やマルチシート被覆等)
➔ 浮皮軽減効果を保持し着色遅延を緩和、時期をずらした有利販売を可能に - 摘果等により結実量を調整する等、産地や品種に合った技術をマニュアルとして体系化
➔ 全国で栽培されている温州みかんに適用可能で取り組みやすい
この研究についてのお問い合わせ先
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農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
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お問合せ先
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