令和7年度第4回農林水産技術会議の概要
1.日時
令和7年9月26日(金曜日)14時00分~16時00分
2.場所
農林水産技術会議委員室
3.出席者
【農林水産技術会議】
本川会長、青山委員、北岡委員、小松委員、内藤委員、二宮委員
(青山委員、小松委員はWEB参加)
【農林水産技術会議事務局】
堺田事務局長、東野研究総務官、佐藤研究総務官、羽子田研究調整課長他
【国立研究開発法人】
農研機構企画戦略本部原田本部長、国際農研小山理事長他
4.議事
(1)令和8年度予算概算要求について
(2)「みどりの食料システム戦略」KPIの達成状況について
(3)「みどりの育種育成方針」の改訂について
(4)報告事項
農研機構及び国際農研の中長期目標期間終了時における業務・組織全般の見直しについて
スマート農業技術活用促進法に基づく計画の認定状況及びスマート農業イノベーション推進会議(IPCSA)について
5.概要
(1)令和8年度予算概算要求について
事務局から、令和8年度予算概算要求について説明した。これに対し、委員から主に以下の意見があった。
1)研究者の人材強化というキーワードが少ないと感じた。熊本県での半導体産業の受け入れを契機に、熊本大学工学部に半導体デバイス工学過程が創設されたが、農業についても大学等と連携し、スマート農業に関する課程をつくるなど、技術開発と教育を並行して行っていくべきではないか。(北岡委員)
2)スマート農機を農家個人で購入することは困難であり、サービス事業が重要となるが、なかなかうまく立ち上がらない。いかにサービス事業者を立ち上げ、使ってもらうかがポイントではないか。(二宮委員)
3)PFASが世界的に話題となっている。日本においても測定法を確立し、近海魚への影響などしっかり調べた上で、世界との比較を行うなどの取組を進めて欲しい。(内藤委員)
4)節水型乾田直播のシンポジウムに参加したが非常に盛況であった。生産者の参加が多く、収量への影響や必要な水の量、除草剤の量など、数値等が分かればすぐにでもやりたいという発言があった。技術の進捗に合わせて普及にも力を入れた方がよい。(青山委員)
5)スマート農業について、自ら実を落としてくれる能力のある自己摘果性品種の育種も進んでいる中で、摘果ロボットの開発も行っているという実態があり、機械開発とその他分野での研究のすり合わせがまだ十分にできていないと感じた。実業とのすり合わせをよく行って欲しい。(小松委員)
(2)「みどりの食料システム戦略」KPIの達成状況について
事務局から、「みどりの食料システム戦略」KPIの達成状況について説明した。これに対し、委員から主に以下の意見があった。
1)ゼロエミッション化について、自治体などは商工業ではよく取り組んでいるが、農業分野ではまだまだと感じている。、化石燃料が多く使われている農産品が高価格で売れているなど、農業分野における化石燃料の使用実態について、まだ一般市民の認識が低いと感じるため、もっと周知していく必要があるのではないか。(小松委員)
(3)「みどりの育種育成方針」の改訂について
事務局から、「みどりの育種育成方針」の改訂について説明した。これに対し、委員から主に以下の意見があった。
1)産学官連携による品種育成・普及の推進という項目が取りあげられているのは非常に重要。主要農産物については速やかに進んできたが、果樹などの商品性が高い作物の育種についても、知財保護などと組み合わせた取り組みが必要ではないか。(小松委員)
2)農研機構で開発された難脱粒性のソバのニュースを見たが素晴らしい成果。自分達の開発したものがガラパゴス化しないよう、世界に通用するかどうかも検証しながら、この育成方針に沿って進めてもらえば良い品種が育成されるのではないか。(小松委員)
3)力作で素晴らしい出来だと思う。スマート育種は、従来の育種とは違って総合科学に近い分野になっており、1箇所で全部を行うのは非常に困難であることから、是非関係者で協力して進めていただきたい。(二宮委員)
(4)報告事項
事務局から、農研機構及び国際農研の中長期目標期間終了時における業務・組織全般の見直しについて説明を行った。
事務局から、スマート農業技術活用促進法に基づく計画の認定状況及びスマート農業イノベーション推進会議(IPCSA)について説明を行った。これに対し、委員から主に以下の意見があった。
1)IPCSAの運営主体が生産者であるというのはよい事。メンバーも日本を代表する錚々たるメンバーであり活動が活発になると思う。一方で、平地の大規模な生産者のイメージが強いため、中山間地域で取り組む生産者の参画への配慮や情報発信をお願いしたい。(青山委員員)
2)開発供給実施計画の認定状況について、遅れていた果樹に関する認定が多く期待しているところであるが、認定された者が一堂に会して、これからの果樹をどうしていきたいかというクリエイティブな議論をする機会を作っていただくと一層発展するのではないか。(小松委員)
以上




