第245回農林交流センターワークショップ(開催日:令和7年6月4日~6月6日)
栽培環境における気温の観測技法と利用
~気温の測定は、簡単そうに見えて実はたくさんの落とし穴が!このワークショップで基礎から勉強してみませんか?~

趣旨 ( 開催要領 / 講義と実習 / お申込み方法・お問合せ先 )
近年、農業の現場では夏期の異常高温などにより生じる農作物の生育障害への対応を迫られており、気温を精度よく把握することの必要性が増しています。しかし、不適切な方法で観測・収集された気温データを説明変数として栽培データの解析を行えば、得られる結果の汎用性が失われたり、誤った解釈を導いたりしかねません。また、気温を始めとする栽培環境のデータを積極的に活用するスマート農業において、高度な生産管理やデータ連携・共有を進めるためには、相互に比較可能な確度の高いデータを得る必要があります。そこで本ワークショップは、気象を専門としない農業関連の研究者や技術者の方を対象として、作物が栽培される環境において気温を精度よく観測して利用するために必要な一連の知識と技法を基礎から総合的に習得できる機会を提供します。圃場や温室のように強い日射にさらされる環境において気温を精度よく観測するためには、日射熱がセンサーに及ぼす影響を遮るために強制通風式の放射除けが使われます。そこで、本ワークショップの受講者は、安価で自作可能な強制通風筒「NIAES-09S(改)」を、講師の指導の下でそれぞれ製作します。続いて、それらを圃場やパイプハウス内に設置して気温と湿度の観測を行い、観測条件の違いによって得られる値にどのような違いが生じるのかを解析を通じて確認しながら、より正確な観測値を得るための観測技法を実地に習得します。なお、本ワークショップで製作した強制通風筒は温湿度データロガーを含めて持ち帰れますので、現場ですぐに役立てていただくことができます。受講者には温湿度データロガーを含む材料費の実費として65,670円程度をご負担いただきます。
また、気温観測の理論、気象データのまとめ方、植物体温と気温との違い、農耕地で観測される気温とAMeDASのそれとの違いなどを、それぞれ講義や実習を通じて習得していただきます。
開催要領
開催要領・日程表 | 参考文献や強制通風筒に関する詳細は、下記「開催要領・日程表」にてご確認下さい。 ※本ページに掲載されていない参考文献のURL等の記載がありますので、必ずご参照下さい。 開催要領・日程表 (WORD : 96KB)/(PDF : 284KB) ※掲載用のニュースにつきましては、こちらからダウンロードをお願いします。(PDF : 1,176KB) |
開催日時 | 令和7年6月4日(水曜日)~6月6日(金曜日) |
開催場所 | 1.農林水産省農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センター(茨城県つくば市観音台2-1-9) 2.国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門(圃場) ※会場は、全て茨城県つくば市の筑波農林研究団地内です。 |
対象 | 産学官の試験研究機関の研究者、農業関連の技術者 (農業を対象とした課題に取り組む、他分野の研究者や技術者を含みます。) |
コーディネーター | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) 農業環境研究部門 気候変動適応策研究領域 作物影響評価・適応グループ 上級研究員 福岡 峰彦 |
応募資格 | 実習内容は、受講者が下記の応募要件を全て満たすことを前提としています。 【応募要件】
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定員 | 8名程度(全日程に参加することとし、代理の方の参加は認めていません)。 ※屋外実習は圃場での観測を主に担当する圃場班と、パイプハウス内での観測を主に担当するハウス班の2班に分けて実施する予定です。圃場班とハウス班への振り分けは、概ね半数ずつとします。 |
参加費・材料費 | 製作物をお持ち帰りいただくため、強制通風筒の材料費と温湿度データロガー1台の費用をご負担いただきます(詳細は開催要領をご参照ください)。 負担額は、消費税込みで合計65,670円程度です。 (受講後に製作物を発送する場合には、別途送料(宅急便120サイズ)をご負担いただきます。) ※製作材料と温湿度データロガー一式の調達方法について、ご不明な点がございましたら、 ワークショップお問合せフォーム からお気軽にお問合せ下さい。 確認後、担当者よりメールにてご連絡致します。お急ぎの場合は、下記担当者までお電話ください。 【注意点】
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その他 | 宿泊施設のご利用について 筑波産学連携支援センター研修生宿泊施設のご予約については、受講決定後に希望をお伺いします。 |
講義と実習内容
1日目:6月4日(水曜日) | 講義タイトル・講師 | |
08時45分~08時50分 | 開 会 | 農林交流センターワークショップ事務局(筑波産学連携支援センターコーディネーション推進課) |
08時50分~09時20分 | 講 義 | 「NIAES-09S(改)型強制通風筒の紹介」 福岡 峰彦(農研機構 農業環境研究部門) |
09時20分~15時20分 | 屋内実習 | 「NIAES-09S(改)型強制通風筒の製作」 福岡 峰彦 |
15時30分~16時30分 | 屋外実習 | 「測器の設置」 福岡 峰彦、吉本 真由美(農研機構 農業環境研究部門) |
16時30分~17時00分 | 屋外実習 | 「総合気象観測装置の見学(農業環境研究部門気象観測露場)」桑形 恒男(農研機構 農業環境研究部門) |
2日目:6月5日(木曜日) | 講義タイトル・講師 | |
08時30分~09時50分 | 講 義 | 「気温・湿度観測の理論と注意点」 伊川 浩樹(農研機構 北海道農業研究センター) |
10時00分~11時20分 | 講 義 | 「作物栽培環境における気温・湿度の観測技法」 福岡 峰彦 |
11時20分~12時00分 | 講 義 | 「植物の体温は、どのようにして決まるのか」 吉本 真由美 |
13時00分~13時30分 | 講 義 | 「農耕地の気温はAMeDASの気温とどう違うのか」 桑形 恒男(農研機構 農業環境研究部門) |
13時30分~14時30分 | 講義 屋内実習 |
「気象観測データのまとめ方」 石郷岡 康史(農研機構 農業環境研究部門) |
14時30分~14時45分 | 講 義 | 「活用事例の紹介(1)」 牛尾 亜由子(農研機構 野菜花き研究部門) |
14時45分~15時00分 | 講 義 | 「活用事例の紹介(2)」 山下 善道(農研機構 東北農業研究センター) |
15時10分~16時00分 | ライトニング トーク |
「受講者が取り組んでいる課題の紹介」福岡 峰彦(※発表:各受講者) |
16時10分~17時00分 | 屋外実習 | 「測器の撤収」福岡 峰彦、吉本 真由美 |
3日目:6月6日(金曜日) | 講義タイトル・講師 | |
08時30分~15時00分 | 屋内実習 | 「観測データの解析」 福岡 峰彦、メンター |
15時10分~16時10分 | 発 表 | 「解析結果の発表と考察」 福岡 峰彦(発表:各班 / 講評:各メンター) |
16時10分~16時30分 | 質 疑 | 「質疑討論」 福岡 峰彦、メンター |
※天候等の理由により、スケジュールが一部変更(順序を入れ替える)になる場合があります。
お申込み方法
下記お申込みフォームより、令和7年5月8日(木曜日)までにお申し込みください(必着)。
※お申込みは、申込書(Step1)と申込アンケート(Step2)の双方にご入力ください。
農林交流センターワークショップの受講者は、先着順では無く、コーディネーターによる選考にて決定致します。
応募理由は、選考時に重視されますので、詳細にご入力下さいますようお願いいたします。
上記フォームへアクセスできない場合は、下記申込用紙とアンケートをダウンロードし、入力後メールで送信してください(必着)。
245ws_申込書(WORD : 30KB) 245ws_申込アンケート(WORD : 209KB)
受講者決定
選考結果は、令和7年5月12日頃にメールにてお知らせいたします。
お問合せ先
農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課 担当 森田、鈴木、木暮
電話:029-838-7136 E-mail: koryu7129★cc.affrc.go.jp
※メール送信時★印を@に変更してください。
お問い合わせフォームは、こちらをクリックしてください。