第235回農林交流センターワークショップ
「栽培環境における気温の観測技法と利用」

気温の測定は、簡単そうに見えて実はたくさんの落とし穴が!このワークショップで基礎から勉強してみませんか?
趣旨
近年、農業の現場では夏期の異常高温などにより生じる農作物の生育障害への対応を迫られており、気温を精度よく把握することの必要性が増しています。しかし、不適切な方法で観測・収集された気温データを説明変数として栽培データの解析を行えば、得られる結果の汎用性が失われたり、誤った解釈を導いたりしかねません。また、気温を始めとする栽培環境のデータを積極的に活用するスマート農業において、高度な生産管理やデータ連携・共有を進めるためには、相互に比較可能な確度の高いデータを得る必要があります。そこで本ワークショップは、気象を専門としない農業関連の研究者や技術者の方を対象として、作物が栽培される環境において気温を精度よく観測して利用するために必要な一連の知識と技法を基礎から総合的に習得できる機会を提供します。
圃場や温室のように強い日射にさらされる環境において気温を精度よく観測するためには、日射熱がセンサーに及ぼす影響を遮るために強制通風式の放射除けが使われます。そこで、本ワークショップの受講者は、安価で自作可能な強制通風筒「NIAES-09S(改)」※ を、講師の指導の下でそれぞれ製作します。続いて、それらを圃場やパイプハウス内に設置して気温と湿度の観測を行い、観測条件の違いによって得られる値にどのような違いが生じるのかを解析を通じて確認しながら、より正確な観測値を得るための観測技法を実地に習得します。なお、本ワークショップで製作した強制通風筒は温湿度データロガーを含めて持ち帰れますので、現場ですぐに役立てていただく事ができます。受講者には温湿度データロガーを含む材料費の実費として60,000円程度をご負担いただきます。 また、気温観測の理論、気象データのまとめ方、植物体温と気温との違い、農耕地で観測される気温とAMeDASのそれとの違いなどを、それぞれ講義や実習を通じて習得していただきます。
※ https://agrmet.jp/wp-content/uploads/2019-A-2.pdf
開催要領・日程表 (他) |
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開催日時 |
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開催場所 |
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対象 |
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応募資格 | 応募資格は、受講者が下記の応募要件を全て満たすことを前提としています。 |
コーディネーター |
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定員 |
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参加費 |
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交通・宿泊等等 |
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その他 (重要) |
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マスクの着用 について |
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講義と実習内容
2023年6月21日(水曜日)
8時45分-8時50分 | 挨 拶 | 農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センターコーディネーション推進課長 田部 亨 |
8時50分-9時20分 | 講 義 | 「NIAES-09S(改)型強制通風筒の紹介」 福岡 峰彦(農研機構 農業環境研究部門) |
9時20分-15時20分 | 屋内実習 | 「NIAES-09S(改)型強制通風筒の製作」 福岡 峰彦 |
15時30分-16時30分 | 屋内実習 | 「測器の設置」 福岡 峰彦、吉本 真由美(農研機構 農業環境研究部門) |
16時30分-17時00分 | 屋外実習 | 「総合気象観測装置の見学」(農環研気象観測露場)桑形 恒男 |
2023年6月22日(木曜日)
8時30分-9時50分 | 講 義 | 「気温・湿度観測の理論と注意点」 伊川 浩樹(農研機構 北海道農業研究センター10 |
10時00分-11時20分 | 講 義 | 「作物栽培環境における気温・湿度の観測技法」 福岡 峰彦 |
11時20分-12時00分 | 講 義 | 「植物の体温は、どのようにして決まるのか」 吉本 真由美 |
13時00分-13時30分 | 講 義 | 「農耕地の気温はAMeDASの気温とどう違うのか」 桑形 恒男(農研機構 農業環境研究部門) |
13時30分-14時30分 | 講 義 屋内実習 |
「気象観測データのまとめ方」 石郷岡 康史(農研機構 農業環境研究部門) |
14時30分-14時45分 | 講 義 | 「活用事例の紹介(1)」 牛尾 亜由子(農研機構 野菜花き研究部門) |
14時45分-15時00分 | 講 義 | 「活用事例の紹介(2)」 山下 善道(農研機構 東北農業研究センター) |
15時10分-16時00分 | ライトニング トーク |
「受講者が取り組んでいる課題の紹介」福岡 峰彦(※発表:各受講者) |
16時10分-17時00分 | 屋外実習 | 「測器の撤収」福岡 峰彦、吉本 真由美 |
2023年6月23日(金曜日)
8時30分-15時00分 | 屋内実習 | 「観測データの解析」 福岡 峰彦、各メンター |
15時10分-16時10分 | 発 表 | 「解析結果の発表と考察」 福岡 峰彦(発表:各班 / 講評:各メンター) |
16時10分-16時30分 | 質 疑 | 「質疑討論」 桑形 恒男、吉本 真由美、石郷岡 康史、福岡 峰彦、伊川 浩樹 |
(メンター:桑形恒男、吉本真由美、石郷岡康史、伊川 浩樹)
※天候等の理由により、一部のスケジュールの順序を入れ替える場合があります。ご了承下さい。
お問合せ先
農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課
電話:029-838-7136 メール:
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