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農林水産技術会議

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プレスリリース

2022年農業技術10大ニュースの選定について

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令和4年12月26日
農林水産省
「2022年農業技術10大ニュース」を選定しました。

1.「農業技術10大ニュース」の選定について

この1年間に新聞記事となった民間企業、大学、公立試験研究機関及び国立研究開発法人の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など30社加盟)の加盟会員による投票を得て選定しました。


2.選定結果について

選定した「2022年農業技術10大ニュース」は、次のとおりです。

TOPIC1
メタンの産生が少ない牛に特徴的な新種の細菌を発見
-げっぷ由来メタンの排出削減に期待-


国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)は、メタン産生量の少ない乳用牛の第一胃から、牛の栄養となるプロピオン酸を多く産生し、メタン産生の抑制につながる新種の細菌の分離に成功しました。今後、本菌を生菌剤として活用することで、牛のげっぷ由来メタンの排出削減と飼料利用性の改善に貢献すると期待されます。


TOPIC2
植物性プラスチックのリサイクルで肥料を製造
-再利用工程で発生する尿素を肥料として有効活用-


東京工業大学、東京大学、京都大学は、植物性プラスチックをアンモニア水で処理することにより、植物由来原料と尿素に分解するリサイクルシステムを開発。プラスチックのリサイクルと同時に、副生する肥料成分を植物に供給する資源循環システムの実現が期待されます。


TOPIC3
豚熱とアフリカ豚熱を迅速・同時に判別!
-検査効率の大幅な向上で防疫に貢献-


農研機構とタカラバイオ株式会社は、豚熱ウイルスとアフリカ豚熱ウイルスを1回の検査で迅速(2時間以内)に検出・判別可能なリアルタイムPCR法を開発。都道府県が実施する豚熱の迅速な診断・防疫措置や、わが国への侵入が警戒されるアフリカ豚熱の監視強化への貢献が期待されます。


TOPIC4
土壌病害診断AIアプリを開発
-圃場ごとの発生しやすさに応じた対策法を提示-


農研機構、株式会社システム計画研究所/ISP等の土壌病害AI診断コンソーシアムは、土壌分析や栽培状況等を基に、圃場の土壌病害の発生しやすさを診断し、診断結果に応じた対策法を提示するウェブアプリ「HeSo+(ヘソプラス)」を開発。必要な圃場にのみ土壌消毒剤を使用することにより、消毒剤の使用量が削減され、生産者の収益性向上と環境負荷低減が期待されます。


TOPIC5
新たな道を切り開く「みちしずく」
-基腐病に強く、多収の焼酎・でん粉原料用かんしょ新品種を育成-


農研機構は、基腐病に強く多収の焼酎・でん粉原料用かんしょの新品種「みちしずく」を育成。焼酎原料用品種の「コガネセンガン」に、焼酎にした時の酒質(香りと味)が似ています。現在、種芋の供給は限られていますが、南九州のかんしょ産地への普及に向けて種芋を増殖中です。


TOPIC6
振動でトマト害虫を防除
-コナジラミ類の発生抑制・トマトの授粉促進による安定生産へ-


電気通信大学等の振動農業技術コンソーシアムは、トマトの株に振動を与えて害虫のコナジラミ類を防除する技術を開発。振動には害虫の発生抑制に加えて、トマトの授粉を促進する効果。トマトの化学農薬の低減とともに、安定生産への貢献が期待されます。


TOPIC7
ウンカ発生調査 AIで大幅時短
-目視では1時間以上の調査時間を3~4分に短縮-


農研機構は、水稲の主要害虫であるイネウンカ類の発生調査にかかる時間を大幅に短縮できる技術を開発。人工知能(AI)を活用し、目視では1時間以上かかることもある害虫の判別・計数作業を3~4分に短縮。害虫の的確な防除や被害発生の予測に貢献することが期待されます。


TOPIC8
超音波を活用したヤガ類の防除技術を確立
-開発した装置で農薬散布回数9割減-


農研機構、株式会社メムス・コア、京都府農林水産技術センターは、幅広い作物を食害する害虫のヤガ類を超音波で追い払う装置を開発し、防除技術として確立。天敵であるコウモリの出す超音波を聞くと、ヤガ類が逃げ出す性質を利用した技術であり、減農薬栽培の推進に貢献することが期待されます。


TOPIC9
リンゴ黒星病の発生低減に貢献
-リンゴの落葉収集機で効率よく9割除去-


農研機構、株式会社オーレック、地方独立行政法人青森県産業技術センターは、リンゴ黒星病の発生源となる落葉の収集機を開発。手作業の約30倍の作業能率で落葉を収集し、雪解け後の地面に張り付いた落葉に対し8~9割の除去率を達成。2022年3月に市販開始。


TOPIC10
急傾斜45度対応のリモコン草刈機
-強く、早く、小さい!中山間でも安全作業-


株式会社IHIアグリテック、農研機構、福島県農業総合センターは、リモコン操作で45度の傾斜地でも作業でき、国産の小型機種として初めてハンマーナイフ式を採用した草刈機を開発。茎が太く1mを超える雑草等にも対応可能で、平地、傾斜地ともに既存の小型草刈機の50%程度に作業時間を短縮。2022年6月に市販開始。


これまでの成果は以下のURLで紹介しています。
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/10topics.htm

添付資料

2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 1)(PDF : 678KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 2)(PDF : 441KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 3)(PDF : 483KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 4)(PDF : 674KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 5)(PDF : 498KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 6)(PDF : 781KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 7)(PDF : 1,050KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 8)(PDF : 1,222KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 9)(PDF : 693KB)
2022年農業技術10大ニュース(TOPIC 10)(PDF : 769KB)

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究企画課

担当者:中島、井戸原
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407