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農林水産技術会議

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よくある質問(Q&A):放射線育種について

Q:放射線による品種開発とはどのようなものですか。

  1. 農作物の栽培においては、温暖化や豪雨などの気象の変化、病害や虫害といった様々な課題に対応できる品種が欠かせません。
  2. このような課題に対応するため、これまで、放射線の照射を含め、様々な手法を用いた品種開発が行われてきました。
  3. 植物は、自然放射線の作用によっても突然変異が起こることがあります。放射線育種は、このような効果を活用する手法であり、1950年代から利用されています。
  4. 例えば、米では、1966年に耐冷性を持ち草丈が低く耐倒伏性を持つ「レイメイ」や、1989年に放射線育種で開発された系統を利用した「キヌヒカリ」、二ホンナシでは、ナシ黒斑病抵抗性を持つ「ゴールド二十世紀」などが育成されています。

Q:放射線照射を利用して育成された「コシヒカリ環1号」や「あきたこまちR」は安全なのですか。

  1. 「コシヒカリ環1号」は、放射線を1度だけ照射した「コシヒカリ」からカドミウム低吸収の性質を持つ個体を選抜し、放射線を照射した世代から少なくとも6世代以上、栽培、選抜を進めて育成した品種です。「あきたこまちR」は、この「コシヒカリ環1号」を親にして、さらに交配と選抜を繰り返して育成された品種です。
  2. 同品種の栽培の過程や販売される米に放射線を照射することはありませんし、米から人体に有害な放射線が発することもありません。
  3. このため、食べても人体に放射線の影響が出る懸念はなく、従来の手法で育成された品種と同様に安全に食べられます。

Q:放射線照射では、有害な物質が含まれるようになるなど様々な変化が起きてしまうのではないですか。

  1. 放射線育種は、自然でも起こりうる突然変異を活用する手法です。農業上の課題を解決する有用な性質を持つ品種の育成を目指して、様々な遺伝的性質が変化した個体の中から、複数代にわたって選び抜くことで、有用な性質を持ちつつ、有害な物質を含まないような新品種として確立した上で普及しています。

参考

 (一社)日本育種学会における「突然変異を利用した作物育種の安全性と重要性に関する声明」(外部リンク)

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