令和6年度第2回農林水産技術会議の概要
1.日時
令和6年6月28日(金曜日)14時~15時40分
2.場所
農林水産技術会議委員室
3.出席者
【農林水産技術会議】
本川会長、青山委員、北岡委員、小松委員、内藤委員、二宮委員、松田委員
【農林水産技術会議事務局】
川合局長、堺田研究総務官、東野研究総務官、今野研究調整課長、羽子田研究企画課長他
【国立研究開発法人】
白谷農研機構理事、小山国際農研理事長他
4.議題
(1)スマート農業技術活用促進法について
(2)農研機構の中長期目標の変更について
(3)「みどりの食料システム戦略」に基づく取組の進捗状況
(4)報告事項
5.概要
(1)スマート農業技術活用促進法及び(2)農研機構の中長期目標の変更について
事務局から、6月21日に公布された「農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律」(スマート農業技術活用促進法)について説明した。併せて、同法により農研機構の業務に施設等の供用が追加されたことから、これに伴う農研機構の第5期中長期目標の変更案について説明した。これらに対し、委員から以下の意見があった。農研機構の第5期中長期目標の変更については、所要の手続きを進めることとなった。
1)事業化された際のあるべき姿を開発事業者・供給事業者・農業者等が共有しておく必要。2050年には一戸当たりの農業経営面積も大きく変わり、品種開発も進んでいると思われるので、そのあたりも考えて開発を進めなければ、せっかく開発してもすぐに使われなくなるのではと危惧している。
2)スマート農業機器の導入に当たっては、現場に任せるだけではなく、生産から販売までの全体をコーディネートするような人材や組織の役割も重要になると思料。
(2)「みどりの食料システム戦略」に基づく取組の進捗状況
事務局から、「みどりの食料システム戦略」に基づく取組の進捗状況のうち、(1)事業系食品ロスを200年度比で半減、(2)食品製造業の自動化等を進め、労働生産性を向上、(3)飲食料品卸売業の売上高に占める経費の縮減、及び(4)食品企業における持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
1)天気予報に応じて豆腐の販売量を調整し事業系食ロスを減らしたという事例があるが、その他の技術と食ロスを繋ぐ事例を広く展開してもらいたい。
2)食ロスを減らすためには、安全性・完璧性を求める国民に対応した商習慣も合わせて変えていく必要。流通の効率化を図る際に、しっかりと利益率を確保する体制を検討してもらいたい。
3)食ロスに係る技術開発は輸出向けが多いが、国内の消費拡大に向けて、国内向けの技術開発も進むことを期待。
(3)報告事項
事務局から、G20首席農業研究者会議、大豆多収品種・りんご省力化品種の開発、及び女子栄養大学短期大学部での(株)Mizkanによる出前講座について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
1)輸入農産物も値段が高止まりしつつあり、輸入大豆も価格が上がることが懸念されるので、多収品種が開発されることは喜ばしい。
2)ヒューマノイドの発展が進んでおり、20~30年後ではなく10年程度で実用化されるかもしれないので、その際でもリンゴの省力化品種等は利用できると思われる。
3)食品のみを見るのではなく、省庁横断的に様々な分野と連携していかなければ、農水省のみで課題解決しようとしても難しくなっていくと思う。
4)リンゴ省力化品種を拡大していくためには、生産者の導入意欲を高めるようなムーブメントが必要。強いインパクトを残している間に、関心をつなぎとめる活動が必要。
以上