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農林水産技術会議

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令和4年度第3回農林水産技術会議の概要

1.日時

  令和4年6月28日(火曜日)14時00分~16時10分

2.場所

  農林水産技術会議委員室及びオンライン開催

3.出席者

【農林水産技術会議】
小林会長、北岡委員、小松委員、瀧澤委員、内藤委員、二宮委員、松田委員

【農林水産技術会議事務局】
川合技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長、山田研究総務官、中澤研究総務官 他

【国立研究開発法人】
白谷農研機構理事、小山国際農研理事長

4.議事

(1)前回会議の意見に対する補足事項(麦・大豆の生産をめぐる動向について)
(2)みどりの品種育成取組方針(仮称)について
(3)農林水産研究における知的財産に関する方針について
(4)みどりの食料システム戦略の実現へ向けて
(5)グリーンイノベーション基金を活用した農林水産分野の研究開発について

5.概要

(1)前回会議の意見に対する補足事項
・事務局から、前回会議で議論した「麦・大豆の生産をめぐる動向」に関する補足説明を行った。

(2)みどりの品種育成取組方針(仮称)について説明した。
・事務局から、みどりの品種育成方針について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
1)BNI等の画期的な研究は、長い基礎研究の積み重ねの上で生まれる。基礎的な研究やそれに取り組む研究者への支援に関する記述が今回の方針には欠けているのではないか。
2)芋や飼料作物の牧草・トウモロコシの研究者は極端に少ない。この分野の研究を強化するのであれば、研究勢力のことも同時に考えていく必要があるのではないか。
3)みどりの食料システム戦略の2050年目標達成に向け、育種目標で掲げている(1)CO2ゼロエミッション化、(2)化学農薬使用量50%削減、(3)化学肥料使用30%削減、(4)地球環境変動対応を、本方針の取組に参加する者全員の共通意識として進捗管理をすることが重要ではないか。
4)品種開発によって、外国産のASWにも負けない品質の小麦が開発されてきたことは事実。一方で、土地条件について、水田の汎用化、排水対策はこれまでも行われてきているが、どの程度整備が進んでいるのか。また、汎用化・排水対策により、どれだけ収量が上がるのか等を整理した上で、品種開発も進めていくというつながりを考えていくべきではないか。データがあれば示してほしい。
5)第4次食育推進計画において、「産地や生産者を意識して農林水産物・食品を選ぶ国民を増やす」という目標が掲げられており、目標達成のためにも、品種開発による国産増産をお願いする。
6)米離れが進み、小麦の消費が増えているが、米と比べた小麦の栄養学的な評価を教えてほしい。米も小麦も、精製したものではなく、全粒穀類を摂取する方が健康に良いと考える。なお、米も小麦も植物性タンパク質であり、動物性と比べれば、体づくりに貢献する必須アミノ酸であるリシンが少ないので、良質タンパク質とは言えない。機能的に植物性が劣っているということではなく、米や納豆や肉などいろいろなものを食べることでアミノ酸のバランスが改善される。
7)大豆の生産努力目標について、21万t(H30)から34万t(R12)に増やす目標が掲げられているが、どのように目標値を設定したのか。品種開発、スマート化を含めた栽培技術、土地改良、農地面積等の積み上げで作って目標としているのか。また、制約ある国土面積、農地面積の中で、最終的に麦・大豆の自給率をどこまで上げるかという見当はされているのか。
8)知的財産に関しては、すべて同一な扱いでの管理とせず、それぞれの品種に合った知的財産管理をしていくことが必要ではないか。
9)スーパーコンピューター等による精緻な気候変動予測をベースとした具体的な品種育成のシミュレーションも活用していくべきではないか。
10)品種改良をすることで生産物に付加価値が付き、価格が高くなることも予測される。低価格での提供も視野に入れて品種育成を進めるべきではないか。

(3)農林水産研究における知的財産に関する方針について
・事務局から、農林水産研究における知的財産に関する方針について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
1)方針改訂のポイントに想定されているのは育成者権と特許権であるが、知的財産活用のためには商標権も含めて議論すべきではないか。
2)農水省が扱う知的財産は国庫補助金等によって生み出されたもので国民全体の財産であり、国内農業者の受益を最大にするだけでなく国民全体の受益を考えた上で方針を作ることが重要であり、その観点から収益化という発想が正当化されるのではないか。
3)個々の契約が独占的な契約であっても、国やエリアなどの単位で独占範囲をコントロールするなどの対応により、原則非独占の方針は担保できるのではないか。
4)特許法的に言うと特許は独占が前提であるので、「原則は非独占」であるのは非常に違和感がある。バイ・ドール法の考え方とも相いれないように思われる。独占権を持った上でどのように契約するかということを考えるべき。
5)これらの点について、特許庁等とも議論をしながら今後の改訂を進めていくことが必要ではないか。

(4)みどりの食料システム戦略の実現へ向けて
・事務局から、みどりの食料システム戦略の実現へ向けての取組について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
1)様々な支援メニューが用意されているが、生産者・事業者の負担はどの程度か。また、生産者負担があると、事業に参加する人は限られてしまうと思うが、どの程度の事業参加を見込んでいるのか。

(5)グリーンイノベーション基金を活用した農林水産分野の研究開発について
・事務局から、農林水産研究における知的財産に関する方針について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
1)海洋の基盤ブロックについて、科学的な実証成果があるのか。また、今後の研究開発要素はどこにあるのか。
2)例えば、海洋の基盤ブロックの研究開発を山で行うといったように、その環境と切り離した形で技術開発を進めることは可能なのか。


以上

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課総括班

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