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農林水産技術会議

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2016年


2016年農林水産研究成果10大トピックス一覧(PDF : 2,474KB)


TOPIC1

刈刃の回転を即座に止める機構の開発 -刈払機の刈刃との接触事故低減に期待!!-

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)は、刈払機を用いた作業中に転倒したり、刈刃が障害物や地面に当たった反動で跳ね返ったりした場合に回り続ける刈刃による事故を低減させるため、市販機への後付も考慮した刈刃停止機構を開発した。刈刃に直接ブレーキパッドを接触させて制動することで、停止まで20秒以上要していた刈刃の回転時間を約3秒に短縮でき、事故低減が期待される。

TOPIC2
飼料用米に適した水稲新品種「オオナリ」を開発 -10アール1トンの超多収に期待!!-

農研機構は、飼料用米に適した水稲新品種「オオナリ」を開発した。多収品種「タカナリ」の脱粒性を改善することにより、収穫期の損失が減少し、これまでで最高レベルの収量性を持っている。「オオナリ」の普及により、飼料用米の生産コストの削減が期待される。

TOPIC3
光で天敵を集め、害虫を減らす技術を開発 -化学農薬が効かないアザミウマの防除に期待!!-

農研機構、筑波大学、株式会社シグレイは共同で、特定の波長を作物に照射し、アザミウマの天敵であるハナカメムシを作物上へ誘引・定着させる技術を開発した。紫色LEDを1日3時間作物に照射することで、天敵が最大10倍まで増加し、害虫を効率的に捕食させ防除することが可能となった。本技術による農薬散布の削減や薬剤抵抗性害虫の防除への効果が期待される。

TOPIC4
コウモリを真似た超音波でガの飛来を阻害する技術を開発 -環境に優しい物理的害虫防除が可能!!-

農研機構は、農業害虫である「ガ」が嫌がる超音波のパルスの長さを明らかにした。ガをよく捕食するコウモリが発する超音波パルスを模した合成音を聞かせることで、ノメイガの農作物への飛来を減らすことができ、本手法により、ガの産卵を高効率に阻害することで化学殺虫剤の散布回数を削減し、環境負荷の少ない害虫防除技術の開発が期待される。

TOPIC5
トマトの青枯病にアミノ酸が効くことを発見 -新しい青枯病防除剤の開発に期待!!-

農研機構は、トマトの重要病害である青枯病の防除にヒスチジンやアルギニン、リシン等のアミノ酸が有効であることを発見した。ヒスチジン等のアミノ酸に青枯病の原因である青枯病菌を直接殺菌する効果はないものの、植物の病害抵抗性を高め、発病を抑える効果があることを確認した。作物の病害抵抗力を利用した青枯病防除剤の素材として期待される。

TOPIC6
養豚農家で使える受精卵移植技術の実証に成功 -伝染病侵入の危険が少ない種豚導入に期待!!-

佐賀県畜産試験場は、農研機構動物衛生研究部門など5研究機関と共同で、一般養豚場に輸送した凍結保存受精卵を、開腹手術をせずに母豚に移植し子豚を生産することに成功した。この技術の普及によって、受精卵での種豚導入が可能となる。これにより、種豚の移動が不要となるため、伝染病侵入リスクの低減や輸送の際に生じる経費削減や省力化が期待される。

TOPIC7
日本初のデュラム小麦品種「セトデュール」を育成 -国産セモリナ粉で本格的なパスタを提供!!-

農研機構は、日本初のデュラム小麦品種「セトデュール」を育成した。黄色みのあるセモリナ粉が取れ、スパゲッティはデュラム小麦特有の食感を示す。100%国産のデュラムセモリナを使用したパスタ製品の提供が可能となり、小麦栽培の拡大や地産地消、6次産業化への貢献が期待される。

TOPIC8
野菜の品種開発を加速する新しいDNAマーカー育種技術を開発 -開発期間3年でトマト新品種の育成を実現!!-

タキイ種苗株式会社は、高度なDNAマーカー選抜技術を駆使し、野菜の品種開発を大きく加速する新しい育種技術を開発した。トマトでは複数の新しい耐病性を持ち農業形質にも優れた新品種開発が従来の半分以下の期間(3年程度)で可能であることを実証した。多くの野菜品目で、新しい形質をもつ優良品種の高速育成が期待される。

TOPIC9
ベータ-クリプトキサンチンで生活習慣病の発症リスクの低下を実証 -ウンシュウミカンの消費拡大に期待!!-

農研機構は、浜松医科大学、浜松市と合同で、ベータ-クリプトキサンチンを多く含むウンシュウミカンの摂取により、生活習慣病の発症リスクが低下することを明らかにした。既に表示が認められている骨の健康に役立つ機能に加え、新たな機能性表示に繋がり、ウンシュウミカンの更なる消費拡大が期待される。

TOPIC10
自家受粉が可能なニホンナシ新品種「なるみ」を育成 -人工受粉の省力化が可能!!-

農研機構は、自分の花粉で受精し人工受粉が不要なニホンナシ新品種「なるみ」を育成した。一般にナシは自分と同じ品種の花粉では実ができないが、「なるみ」は自分の花粉でも結実可能である。全国のニホンナシ産地で栽培可能であり、花粉調製が不要で人工受粉の省力化が可能な品種として普及が期待される。

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