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農林水産技術会議

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アグリサーチャーニュースVol.19

  

今月の研究成果トピックス(アグリサーチャーHPより)

将来の豪雨強大化に対応した水利施設計画
水田域の水稲被害リスク評価法


近年は豪雨が頻繁化し、また強度も強くなる傾向がみられています。将来は、気候変動によってその傾向が強まり、地域に降った雨を河川に排水しきれないことで発生する内水氾濫被害が増加する可能性があります。その対策には、将来の豪雨の変化を見越して農地を湛水から守る排水施設を強化する等の対応が考えられます。このため、複数の気候予測シナリオから得た豪雨データに基づき、排水施設の規模計画に用いられる雨量強度の将来変化を想定し、そのデータを用いて水田湛水のシミュレーションを行い、水稲被害リスクを評価する手法を開発しました。本成果は、農林水産省が事業計画の検討に用いる土地改良事業計画設計基準計画「排水」技術書の中にも、研究情報として掲載されています。

穂ばらみ期は冠水に弱く冠水が1日を超えると減収するおそれがある


研究者の声 皆川裕樹さん(農研機構農村工学研究部門)

近年では、毎年のように豪雨災害が発生しており、予め豪雨時に危険な地域や被害の程度を想定して、対応策を想定しておくことが重要で、最近は「流域治水」という用語を耳にする機会も増えましたが、水田は被害を受けるばかりではなく、豪雨時に雨水を一時的に田んぼに貯留する田んぼダム等によって地域の被害軽減に貢献できる可能性があります。今後、流域全体をどのように管理すれば全体の被害を低下できるか、農業分野から貢献できることを提案していく予定です。

評価手法のワンポイント解説

豪雨は、雨の降り方にも注目する必要があります。雨量の合計は同じでも、弱い雨が続くのに比べ、短時間に集中的に降る方が危険になる可能性が高いといえます。豪雨を模擬的に作成する手法を使うと、観測だけでは得られない様々な雨のパターンを想定して、リスクを評価することができます。

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