おすそわけ先と生産者つなぐ情報源
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宅配便などを利用して、作った果物を消費者に直接販売する生産者が増えています。でも、直接販売に取り組む生産者は、自分の作った果物をどうしたら新しいお客さんに知ってもらい、購入してもらえるようになるか、頭を悩ませています。 広がる「お客さんの輪」贈答用リンゴの直接販売で、どのように新しいお客さんが増えていくかを調べると、消費者同士のリンゴのやり取りや口コミ情報が重要なきっかけになっていることがわかりました。贈答用リンゴを事例として、新たなお客さんが増えていく過程を調べると、消費者同士の物や情報のやり取りが重要なきっかけとなっていることがわかります。 つまり、他の人からお歳暮や「おすそわけ」でリンゴをもらうと、今まで知らなかった生産者のリンゴを味わうことができます。そのリンゴを気に入った人が同じ生産者に注文すれば、新しくお客さんが増えるというわけです。果物をたくさん贈られると、近所の人やお友達におすそわけをするという人は多いので、生産者にとってはいろいろな人に自分の作ったリンゴを知ってもらうチャンスがあるのです。 「おすそわけ袋」の活用ところが、実際におすそわけをする場面では、おすそわけ先の消費者に届くのはリンゴだけで、なかなか生産者の情報までは伝わりません。これでは、同じリンゴを買いたいと思っても、生産者に注文することができません。 そこで、農研機構では、おすそわけ先の消費者と生産者をつなぐために、「おすそわけ袋」を考案しました。「おすそわけ袋」には商品の特徴や生産者の連絡先など消費者に伝えたい情報を表示します。これを、おすそわけをする時にリンゴを入れる小分け用の袋として使ってもらうのです。そうすると、おすそわけ先の消費者にも、リンゴと一緒に商品のアピールポイントや生産者の情報を届けることができます。「おいしいリンゴがほしいけど、どこで手に入るかわからない」という消費者にとって、「おすそわけ袋」が良い情報源になります。 リンゴ以外にも、ミカンやモモ、サクランボなどいろいろな果物で「おすそわけ袋」が利用されるようになっています。もっと多くの生産者に「おすそわけ袋」を利用してもらい、消費者においしい果物の情報が届くようになることを期待します。
(絵:筒井 博子) 全国農業新聞[外部リンク] 2016年12月23日に掲載されたものを再編集 |
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