ふっくら、暖か、安価なシルクフィルを開発
みなさん「真綿(まわた)」をご存じですか。江戸時代に木綿(もめん)(綿花の種から取れる繊維。コットン)の生産が盛んになる前は、わたと言えば真綿でした。真綿は、蚕の繭(まゆ)から作られています。真綿は白くて光沢があり、柔らかく保温性が高いため、布団や防寒具の中に詰め込む素材として利用され、質の良いものは紬つむぎ(絹織物)の原料としても利用されてきました。ところが、真綿はすべて手作業で作るため、手間がかかり、高価な点が問題でした。 新たな低コストの絹素材そんな中、これまでの真綿に代わる新しいシルクわた「シルクフィル」が開発されました。2千粒程度の繭から一斉に糸を引き出し、枠に巻き取り、薬品で繭糸(けんし)の表面のセリシン(のり状のタンパク質)を取り除き、ほぐしてわたにします。セリシンは水溶性の物質ですので、取り除くことで水洗いができるようになります。これらの製造工程が機械化され、製造コストは真綿に比べて半分程度に抑えられました。 ふわっと、体にフィットシルクフィルは、羊毛や木綿の布団と違って、人の肌にフィットする適度な軽さを持っています。また、布団の性能を評価する方法の一つに体積の大きさがありますが、シルクフィルは、従来の真綿や羊毛よりも体積が大きいので、ふわっとした特徴を持っていて、暖かく感じます。さらに、布団を押した時の戻りも、真綿や羊毛より高いという結果も得られています。 (絵:筒井 博子) 全国農業新聞[外部リンク] 2013年1月25日に掲載されたものを再編集 |
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究調整課
担当者:広報班
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407
FAX番号:03-5511-8622