細かく刻んだ雌穂(しすい)のお漬物
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乳牛はトウモロコシも大好きなことをご存知ですか? トウモロコシはデンプンを多く含み栄養満点で、乳牛がたくさんの牛乳を出してくれるための重要なエサです。トウモロコシの黄色い実のほとんどは、アメリカやブラジルなどの外国で作られて日本へ輸入されています。 ここで一つ問題があります。最近になって、この輸入トウモロコシが天候不順で不作になったり、日本以外の国でもたくさんのトウモロコシが必要となったりしているため、トウモロコシの値段が10年前の数倍にまで高くなることがしばしば起こっているのです。そこで、日本国内で、しかも、輸入トウモロコシ並みの費用で作れるイアコーンサイレージを生産、利用する取り組みに注目が集まっています。 イアコーンサイレージとはイアコーンサイレージとは、トウモロコシの雌穂(しすい、写真にある実と芯とそれらを覆う皮の部分)を畑で収穫して細かく刻み、これをサイレージにした牛のエサのことです。イアコーンサイレージの「イア」はトウモロコシの雌穂を英語で”ear”(イア)と呼ぶことに由来します。 また、サイレージとは、乳酸菌の働きで発酵させて、栄養を高め保存性をよくしたエサのことです。イアコーンサイレージは、まさにトウモロコシの雌穂のお漬物です。 保存性を高めるためには、輸入トウモロコシのように乾燥させる方法もありますが、日本は雨が多く湿度が高いため乾燥しにくいので、トウモロコシの雌穂をそのままサイレージにすることはとてもいいアイデアですね。 乳牛はイアコーンサイレージが大好きイアコーンサイレージは輸入トウモロコシと栄養価が少し異なりますが、乳牛はイアコーンサイレージも大好きで、たくさん食べて、たくさんのおいしい牛乳を出してくれます。そのため、酪農家は安心してイアコーンサイレージを乳牛に与えることができます。 もちろん、イアコーンサイレージを生産、利用することで輸入トウモロコシの値段に影響を受けにくくなるメリットもあります。近いうちに、皆さんもイアコーンサイレージで育った牛の牛乳を飲むことができるかもしれませんね
トウモロコシの雌穂 (絵:筒井 博子) 全国農業新聞[外部リンク] 2015年10月30日に掲載されたものを再編集 |
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