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農林水産技術会議

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IPMって何? ~いろいろな方法を組み合わせ、作物の病気や害虫を防ぐ~

 

漫画 

  

農薬はお米や野菜などを作るのに役立っているのですが、頼り過ぎは良くありません。では、農薬を控えめに使うには、どのような方法があるのでしょうか。

農業と農薬

江戸時代にはお米などがほとんど収穫できず、たくさんの人が苦しむ大飢饉が何度も起こりましたが、害虫による被害もその原因の一つでした。それと比べて、農薬が使われるようになった現代では、食べものが足りなくなるほどの被害はほとんど起こらなくなりました。

こうした農薬のうち、何十年も前に使われていたものの中には、人の身体や環境に悪い影響をおよぼすことが後でわかった例もあったため、今では厳しい試験に合格した農薬しか売ることが許されていません。また、農薬の使い方についてもルールがあり、正しく使われていれば、農薬は安全だと言えます。

一方、害虫などの被害を防ぐのに役立つ農薬も、長く連続して使うとその農薬が効かない病気や害虫、雑草があらわれてきます。同じタイプの農薬に頼り過ぎるのは良くないのです。

また、将来の世代もずっと農業を続けていくために、今よりもっと環境を大切にしながらお米や野菜を作ることができる技術が求められるようになってきました。

注目高まるIPM

このような理由から、農薬と他の方法をうまく組み合わせる「病害虫や雑草の総合的管理技術」が注目されるようになりました。これは「IPM(アイピーエム)」ともよばれ、例えば害虫を防ぐネットを張る、病気や害虫に負けない品種を植える、などの方法を使います。IPMによって害虫などの被害を完全に防ぐのは難しいのですが、いろいろな方法を組み合わせることで、農作物の収穫量が大きく減ってしまわないように工夫しています。

すでにいくつかの農作物についてはIPMのマニュアルがあり、広く使われています。例えば、IPMを活用したナスの農業ハウス栽培では、地域にもともと生息している天敵昆虫(写真のヒメカメノコテントウなど)に害虫を食べてもらい、農薬の量を減らすことに成功しています。

今後研究が進み、さらに多くの農作物でIPMが利用できるようになることが期待されます。

 

写真  害虫を食べてくれるヒメカメノコテントウ(高知県農業技術センター 提供)

 

(絵:筒井 博子)

全国農業新聞[外部リンク] 2015年5月29日に掲載されたものを再編集

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代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407
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