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農林水産技術会議

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減災・防災システムの開発・実証研究

実証地域
宮城県
分野
農業・農村
分類
網羅型研究
代表機関
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門
参画研究機関
(国)東北大学、(株)竹中土木
研究実施期間
平成24年度~平成27年度

1 研究の背景・課題

被災地では、一刻も早い復旧・復興を目指すため、様々な事業が短期間に集中して実施されており、土地利用や担い手、就業構造、地域コミュニティの状況等が大きく変化している。被災した農村の再生には、農村におけるハード面とソフト面での改善、さらに両者の一体的な解決を目指す総合的なシステム技術の開発、適用が求められている。具体的にハード面では、迅速に除塩や排水改良を進め早期に営農再開できる農地の基盤技術や、農村の被害を最小限とする新たな堤防の構築技術等が、ソフト面では地域コミュニティ再生に向けた合意形成を円滑に進めるための被災地域に適した議論の手法等の改善が求められている。

2 研究の目標

宮城県では、平成27年度までの間に、農林水産分野の基盤整備に係る各種事業が緊急かつ重点的に実施される。このため、①施設設計等のハード面の技術開発により地域防災力の回復と向上を図るとともに、②①を前提にした新たな地域コミュニティの構築や農業経営再建などについて、集落内での意志決定や合意形成などを円滑に進める手法等の開発を行い、現地への適用を通じて被災地域の復興に資することを目的とする。

3 研究の内容

  • <部門A>新たな農業施設や土地利用を促進するため、ビジュアライズ(見える化)技術を活用した集落単位での合意形成手法の開発と実証。
  • <部門B>被害の軽減を目的に、①排水管理による塩水浸入対策の検討と津波伝播解析の実施、②海岸堤防や2線堤農道等に適用する粘り強い盛土工法の開発、③津波による農地塩害の早期回復と地下かんがいによる塩分再浮上抑制効果の検証。
  • <部門C>農村地域の担い手として生産組合の再編成等に向けた合意形成手法の作成と実証。

4 研究成果概要

  • <部門A>VIMS(民間と共同開発したGISエンジン)とフォトモンタージュ技術を活用し、現地の復興土地利用計画案のビジュアライズ化を行い(図1)、宮城県の復興事業推進に貢献した。
  • <部門B①>沿岸部の排水機場の被災状況を調査し、現地の特徴を水理模型実験で再現したところ、海側に吐水槽が配置された場合、津波の波力が大幅に軽減できることが明らかになった(図2)。今後、この成果が多くの現場で適用されるように、国家基準等への反映を働きかけていく。
  • <部門B②>地震・津波に対して強靱な三面一体化した構造の堤防工法を開発した。施工確認試験と水理模型実験を行ったところ、新工法は、現行の防潮堤復旧工法と比べ、経済性は同等ながらも、施工性が良く、安全性がより高まる構造であることが確認された。この成果の有用性が東北農政局に認められ、防潮堤復旧工事の一部(80m区間)に導入された(図3)。
  • <部門B③>津波で塩害を被った農地の下層に残存した塩分が、地下かんがい(FOEAS)によって洗浄される効果を現地の実証ほ場で確認(図4)し、宮城県の農地復旧・復興整備に活用された。
  • <部門C>S町の農業生産組合の再編に立ち合い、支援マニュアルをまとめた。また、W町の農業復興の象徴であるイチゴ団地を強風から護るため、防風ネットの設置効果を科学的に評価した(図5)。

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

問い合わせ先:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農村工学研究部門)

TEL:029-838-7513(代表)

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お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
ダイヤルイン:03-3502-7462
FAX番号:03-3593-2209

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