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農林水産技術会議

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作物被害低減のためのクロピラリド動態解明

年度
2018
ステージ
実用技術
分野
農業(生産資材)
適応地域
全国
キーワード
堆肥、クロピラリド、生理障害、野菜、花き
課題番号
29030C
研究グループ
農研機構 農業環境変動研究センター、野菜花き研究部門、
畜産研究部門、宮崎県農業総合試験場
研究総括者
農研機構 農業環境変動研究センター 清家 伸康
研究タイプ
重要施策対応型
研究期間
平成29年(1年間)
PDF版
作物被害低減のためのクロピラリド動態解明(PDF : 1377.9KB)

1 研究の目的・終了時達成目標

輸入飼料を与えられた家畜の排せつ物から生産された堆肥等に残留する除草剤(クロピラリド)が原因と考えられる野菜や花きの生育被害の発生事案が報告されている。クロピラリドは水溶性が高く難分解性とされるが、作物被害の低減策を講ずるには、その動態に関する知見が不十分である。
このため栽培環境および牛の飼養管理におけるクロピラリドの動態を解明し、作物被害を未然に防ぐための堆肥化過程から農作物の栽培環境に至る管理方法を提案することを目標とする。

2 研究の主要な成果

(1)計30品目の野菜、花きにおける初期生育時のクロピラリドによる影響を明らかにした。

(2)土壌中クロピラリドの半減期の長短は、降水量の多少や土壌種に影響されることが推察された。

(3)肥育牛では乳牛の場合と同様に、クロピラリドは主に尿中に排せつされることを明らかにした。

3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1)野菜、花きにおける初期生育時のクロピラリドによる影響に関しては、「飼料及び堆肥に残留する除草剤の簡易判定法と被害軽減対策マニュアル」の追補版または改定版として広く公開するとともに、堆肥の多施用に関する注意喚起を行う。

(2)栽培環境および牛の飼養管理におけるクロピラリドの動態解明に基づいた被害軽減のための技術は、今後、実用技術へと発展させ普及させる。

【今後の開発・普及目標】

(1) 2年後(2019年)までに、「飼料及び堆肥に残留する除草剤の簡易判定法と被害軽減対策マニュアル」の追補版または改定版を発行する。

(2) 5年後(2022年)までに、クロピラリドによる作物被害低減技術を開発。

(3) 最終的には、リスク低減技術を普及させ、クロピラリドによる作物被害を未然に回避。

4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

(1) クロピラリドによる作物被害を未然に防ぐことにより、生産農家の安定収入に貢献する。

(2) 作物に被害を及ぼさない堆肥を有効に活用した農産物生産により、国民への農産物および畜産物の安定的な供給に貢献する。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

清家伸康

TEL 029-838-8191

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