令和4年度第6回農林水産技術会議(現地視察)の概要
1.日時
令和4年11月8日(火曜日)11時00分~18時30分
2.場所
埼玉県深谷市
3.出席者
【農林水産技術会議】
小林会長、北岡委員、小松委員、瀧澤委員、二宮委員
【農林水産技術会議事務局】
山田研究総務官、研究調整課 坂下総括、松澤係員、研究推進課 長谷川調査官、山﨑係長
4.議事
(1)スマート農業実証地区視察
- (有)ファームヤード、(株)レグミン
- (有)Root
(2)深谷市役所との意見交換
5.概要
(1)スマート農業実証地区視察
(有)ファームヤードの圃場において、(株)レグミン、の自立走行型ロボットによる農薬散布及びリモート圃場カメラによる遠隔圃場監視、(有)Rootのスマートグラスを使用した農業補助アプリケーション等、実証内容について視察を行った。
(2)深谷市役所との意見交換
深谷市役所より、市のアグリテック集積戦略の取組状況について説明があった。また(有)ファームヤードの吉岡代表より、スマート農業等の自社の取組状況について説明があった。これに対し委員より、現地視察も踏まえた以下の意見等があった。
- 北海道のような広大な土地ではない、深谷市で行われる近郊農業に適合したスマート農機の開発は、同様の近郊農業に取り組む農業者の需要があるのではないか。
- 今後、農薬の局所散布等の技術にも取り組むことで、省力化・省人化の課題解決とともに農薬使用量減少に繋がり、みどり戦略の実現にも貢献できる。
- ロボットによる農薬散布を外部委託サービスとして農業者へ提供することは、人手不足だけでなく高齢化の解決にも貢献できる。今後サービス展開の中でコンサル事業等も併せて行い、農作業の外部委託化による経済的利益を農業者に分かりやすく説明できる組織がでてくれば、外部委託によるスマート農業が普及していくのではないか。
- 深谷市の取組については、大学等との連携はしているのか。また大学発のベンチャー企業は出てきているのか。
- 地元大学の他に、東京のベンチャー企業とも協働して深谷市のスマート農業への取組を進めていくことで、本取組が加速するのではないか。
- 若手が挑戦できるという観点において、アグリビジネスコンテストを市が主催する取組は良いと感じた。他の自治体においても同様の取組は行われているのか。
- 狭い農地で小規模農家が多いのは日本だけでなくアジア各国に共通しているため、狭い農地に適合したスマート農機開発は、海外におけるビジネスチャンスにも繋がるのではないか。
- アグリテック企業を育成・誘致する深谷市の取組は、農業に若手人材を取り込む上で重要と感じた。
- 各農家が全ての機器を持つのではなく、農薬散布等の農作業の一部を外部委託していくのは、小規模農家が多い中山間地域にスマート農業を普及していく上で重要な視点となる。
- このような取組を進めるためには、スマート農機の開発・運用を専門に行う組織が必要である。また今後スマート農業実証プロジェクトにおいても、小規模農家を束ねてスマート農業サービスを提供する形態についても実証していくのが課題となるのではないか。
以上
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農林水産技術会議事務局研究調整課総括班
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