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農林水産技術会議

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令和4年度第5回農林水産技術会議の概要

1.日時

令和4年9月13日(火曜日)14時00分~15時50分

2.場所

農林水産技術会議委員室及びオンライン開催

3.出席者

【農林水産技術会議】
小林会長、北岡委員、小松委員、瀧澤委員、内藤委員、二宮委員
【農林水産技術会議事務局】
川合技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長、山田研究総務官、中澤研究総務官  他
【国立研究開発法人】
白谷農研機構理事、小山国際農研理事長

4.議題

(1)農林水産研究における知的財産に関する方針の改定について
(取りまとめに向けた議論)
(2)令和5年度概算要求について

5.概要

(1)農林水産研究における知的財産に関する方針の改定について
事務局から、農林水産研究における知的財産に関する方針の改定について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。改定案の修正については会長に一任され、事務局にて必要な確認を行ったうえで公表する予定としている。

  1. 本方針の実行性をどのように担保していくか、農研機構や各法人の組織内にどう根付かせていくか、生産者の理解をどう深めていくかが非常に重要。他産業での取組も参考にしつつ、知的財産の扱いを検討していくべきではないか。
  2. 知的財産の活用は利益が絡む話でもあり、公務員や研究者が不得手な分野。例えば農研機構の中に専門的な機関を置き、これを担う人材を育成していくなどが考えられる。また、国民への知財に関する理解の醸成も課題と考える。
  3. 農林水産分野の知的財産は、どのような経路で海外に流出するのか。
  4. 国内の関係者が意図的に海外に流したものでなければ、種苗を盗まれたということであり、そうであれば刑法や民法で対抗できる措置があるのではないか。
  5. 種苗が海外に流出する事案が発生しているが、品種保護と栽培管理のノウハウを維持することは、分けて考えるべきではないか。
  6. 果樹品種において、栽培管理の品質に与える影響は大きい。県ごとに技術指針を定めるなど、情報はある程度オープンになっている。ただ、海外で日本と同じ品質のものができるかというと必ずしもそうではない。技術者から直接指導を受けたり、生産技術のレベルが高いことが日本の強みであり、栽培管理に係る情報の秘匿化が課題。
  7. 硬肉モモの軟化技術の紹介があったが、簡単に模倣されるような技術はやはり秘匿化しておくべきと考える。
  8. 特許出願をするのか、それともノウハウとして秘匿するのかも含めて、戦略的に知財アセットを構築する必要。
  9. データマネジメントについて、データのオープン化を推奨するような方針とすべきではないか。論文を読めば何をどう研究しているかがわかるし、インパクトファクター(ジャーナル影響度指標)の高い学術雑誌は、生データをつけることが原則になっている。研究成果を机の中に眠らせておくのではなく、どんどん外に公表していくべきと考える。
  10. 農林水産物由来の天然のポリフェノールが、細胞の老化を抑制する機能を有しているなど、日本には多くの研究成果がある。日本で開発された技術に関する知的財産をしっかり守っていく姿勢は非常に大切。

    (研究機関からの意見)
  11. 知的財産全体としてマネジメントしていくことが重要。シャインマスカットを例にすると、品種の登録、栽培方法はノウハウとして秘匿、さらには商標と標準化を組み合わせて対応。知的財産を守ることと活用すること、この両方の効果を高めていく必要がある。
  12. 公的研究機関がなぜ必要かというと、農業は多くの生産者が技術を活用しており、その知的財産を守るために公金を投入しているという側面もあると考える。国内だけでなく海外への対応も必要となると、農業国営化の必要性を感じた、などの意見があった。

(2)令和5年度概算要求について
事務局から、令和5年度概算要求について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。

  1. いろいろな対策が打ち出されているが、具体的に何をするのか、言葉の定義などが曖昧な印象。
  2. スタートアップ支援について、これまでの支援内容と大きく変わらないように見える。成果を求めず、若手研究者の新しい自由な発想を支援する事業が必要ではないか。
  3. JSTの未来社会創造事業や創発的研究支援事業といった自由で挑戦的な研究を推進する事業もあるが、他省庁とは一味違う農水省らしい課題を解決できるよう支援していただきたい。
  4. 独法の運営においても光熱費高騰の影響があるとの話だが、自由な研究開発を行う余力はあるのか。
  5. 技術会議予算において、大学や企業の自由な研究を支援する取組が見えにくい。
  6. 報道によると、オランダの農業輸出額は世界第2位であり、日本の農業との違いは産学官連携と自由な研究への支援の差が指摘されていたが、研究開発分野での課題をどのように考えているか。

以上

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課総括班

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399