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農林水産技術会議

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令和3年度第9回農林水産技術会議の概要

1.日時

  令和4年2月22日(火曜日)14時00分~15時45分

2.場所

  農林水産技術会議委員室及びオンライン開催

3.出席者

【農林水産技術会議】
小林会長、北岡委員、小松委員、内藤委員、二宮委員、松田委員

【農林水産技術会議事務局】
青山技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長、山田研究総務官、山口研究総務官 他

【国立研究開発法人】
原田農研機構NARO開発戦略センター長、山本国際農研理事

4.議事

農林水産研究イノベーション戦略2022について

5.概要

・事務局から、農林水産研究イノベーション戦略2022の本文案、イメージ図について説明した。これに対し、委員から以下の意見があった。
(持続可能で健康な食の実現)
1)もち麦や大豆が日本人の健康に良いというエビデンスが示されており、この研究を進めていくことは賛成。一方で、もち麦や大豆は多くを輸入に依存しており、国産を増産するのか輸入を前提とした研究開発を進めるのか。
2)国際農研からラオスの黒米に関する研究開発の話があったが、日本にも多くの古代米がある。今や玄米は日本人の健康に極めて効果が高いと考えられており、皆が国産の穀類を食べるような流れを作ることが大切。
3)本取組は、農林水産省だけではなく、厚生労働省や環境省などの他省庁とも連携して進めていくのか。
4)農作物に機能性を追求することによって、消費者への販売価格が上がることがないよう、システムの構築もお願いする。
5)「持続可能」の用語の使い方について、環境面の持続可能性を言っているところ、食料安全保障や農業の持続性まで含んでいるところがあるように見受けられる。
6)現状の課題に記載されているものに具体的な解決方法(研究)が対応していない箇所がある。
7)農林水産分野は農研機構や国際農研の研究要素が中心になっているが、例えば経産省では原課が国際的な企業間の競争力やアカデミアの競争力を把握し、戦略が練られている。これらがNEDOやJST等に上がり、研究予算をつけていく。大きな重点研究分野について、農林水産省がシンクタンク的な立場で技術戦略を考えていけば、国民や農家に対してもわかりやすい資料になるのではないか。

(2050年カーボンニュートラル達成への貢献と資源循環の追求)
1)ブルーカーボンについて、海藻に炭素を固定した後そのままにしておくと、生態系バランスが崩れるなどの問題が出てくるのではないか。循環利用にも取り組んでいく必要があるのではないか。
2)バイオ炭は吸収技術の重要なカードとしていろいろな場面で出てくるが、農業者にはまだまだ馴染みがない。利用を促進する工夫が必要ではないか。

(研究開発環境の整備関係)
1)サイエンスコミュニケーションでゲノム編集が書かれているが、消費者は食の安全に非常に敏感だが、生産の持続性についてはほとんど意識が向いてないと感じる。持続性を確保するためには、消費者の理解が必要。消費者の理解が進めば、消費動向が変わり、中長期的には農家のインセンティブにつながるのではないか。
2)グローバルな研究拠点の形成について、ハードは重要だが、いかに優れた人材に参画してもらうかが重要。多くの分野で人材が不足しており困難はあるが、人材がうまく育ち、国際的な研究を展開できる魅力的な体制を構築するということをメッセージ的に入れてはどうか。
3)公設試や地方自治体も人材が不足しており、知財マネジメントやAI人材を求めるのは厳しい状況と思われる。民間の力もうまく活用していただきたい。また、知的財産に関する取組は、自治体の首長や幹部職員の理解を得ることも重要。

(研究機関からの意見)
1)農研機構から、
・食と健康に関する研究について、農研機構でも、コホート研究に取り組むこととしており、方向が一致。これらの取組みには、海外機関と連携した日本食材の標準用データの蓄積等を進めていくことが必要。
・カーボンニュートラルについて、研究を基にJクレジットの方法論を充実させ、海外との二国間クレジットのやりとりに使っていくことが重要。GHGの技術をいかに現場の方々が取り組みたくなるようにするかは技術開発としても重要なテーマ。
・スマート農業技術については、水田の水管理技術のようにカーボンニュートラルに貢献するものもある。
・育種は非常に重要な研究分野であり、戦略的にどう続けるのかが重要。
・農業情報研究センターでは10名ほどのAIの専門家を抱え研究開発を進めている。公設試などから連携の要望があれば、研究開発部門の強化やAI人材の育成などに協力していきたい、などの発言があった。
2)国際農研から、イノベーション戦略2022は、世界的な動向やニーズに即した内容となっており、(国際農研の研究の紹介をしながら、)引き続き確実な成果の作出と普及に向けて取り組んでいきたいとの発言があった。
3)事務局から森林機構と水研機構から事前に聴取した意見として、森林機構から、エリートツリーの研究やゲノム情報を活用した育種等に関する追記要望が、水研機構からスマート農林水産業について農業だけに偏っている等の意見があり、修正を行った旨報告した。

以上

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課総括班

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622