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農林水産技術会議

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令和3年度第3回農林水産技術会議の概要

1.日時

  令和3年6月29日(月曜日) 14時00分~15時50分

2.場所

農林水産技術会議委員室及びオンライン開催

3.出席者

【農林水産技術会議】
小林会長、北岡委員、小松委員、瀧澤委員、内藤委員、二宮委員

【農林水産技術会議事務局等】
菱沼技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長、川合研究総務官  ほか

【国立研究開発法人】
 白谷農研機構理事、小山国際農研理事長

4.議事

(1)新任委員挨拶
(2)農林水産研究イノベーション戦略2022について(3テーマについての現状と課題の分析)
(3)みどりの食料システム戦略の策定の策定を踏まえた各国研法人からの説明・議論について(部門等の候補について)
(4)成長戦略等について(報告)
(5)新育種開発プロジェクトについて(年度計画の報告)

5.概要

(1)新任委員挨拶
・本年5月25日付けで委員に就任いただいた内藤委員より挨拶をいただいた。

(2)農林水産研究イノベーション戦略2022について(3テーマについての現状と課題の分析)
事務局から、農林水産研究イノベーション戦略2022のテーマとする予定の「食と健康」「カーボンニュートラル」「ゲノム編集技術等先端技術を活用した育種」の現状と課題について整理・分析した内容を報告した。
これに対し、委員から以下のような意見があった。
<食と健康について>
(1) 食と健康は重要なテーマであり、和食や日本食などを含めて機能性評価等の研究開発をきっちり行っていくことが重要である。
(2) 健康に良い食品だからといって消費者に選択されるとは限らず、食品の価格や調理の手間などといった要因により選択されにくい可能性もある。実際に、野菜や果樹の摂取は食生活において重要なものだと思うが、摂取量は減少しているので、その要因等も分析した上で研究開発を行った方がよい。
(3) 食と健康に関する研究開発に当たっては、栄養学、保健学といった様々な分野も連携して取り組む必要がある。また、連携促進のためには、農研機構など農林水産分野の研究機関が、研究で得られた結果を広く周知するとともに、産業界等に対して間口を広げる必要がある。そういった意味で、食と健康というのをテーマとして位置付けているのは非常に重要なことだと思う。
(4) 地中海食やMIND食に関するエビデンス獲得については、和食や日本食と比較にならないほど進んでいる。農林水産省としてこのテーマに取り組んでいくということであれば、単純にAIやビックデータの活用というだけではなく、医療や保健分野の人々を含めた大きなグループとして協力して取り組んでいくなど、取組方針を十分に検討する必要がある。

<カーボンニュートラルについて>
(1) 農林水産業は炭素(カーボン)との関係だけではなく、生物多様性や窒素・リンの循環といった部分との関係もあるので、炭素だけに取り組むというような誤解を受けないようアピールする必要がある。
(2) 有機農法等は、資材が少ない中で栽培管理を工夫した持続的な栽培方法でもあり、こうした本質的な意味を掘り下げた上で、現代社会において先端技術をどう活用していくべきかということも考えた方がいい。また、農業は炭素固定に貢献しているので、炭素固定能力についての研究も進化させていってほしい。
(3) カーボンニュートラルを目指すことにより、今後現場にどのような影響が出てくるのかを認識できていない人が多いと思う。農林水産業はカーボンニュートラルにプラスの面で貢献できる分野なので、しっかりとアピールしていくべき。

<ゲノム編集技術等先端技術を活用した育種について>
(1) ゲノム編集技術については、丁寧に国民の理解を得ながら技術開発、普及を行うことが重要である。色々なエビデンスを積み重ねるとともに、どうしたら安心していただけるのかという心理的なアプローチも検討する必要がある。
(2) ゲノム編集技術の社会実装に当たっては、特許問題も考える必要がある。省庁横断的に国産のゲノム編集技術の開発に取り組むということも重要である。

<その他>
(1) 気候変動等により農産物の生産に影響が生じている事例もあり、食料安全保障の観点からも、代替肉など新たな技術の話は活発になっていると感じている。また、消費者の選択も変わってきており、ヴィーガン食を取り入れているような人も多いと思う。こういった社会の動きに対する政府の考え方等について教えてほしい。

(3)みどりの食料システム戦略の策定を踏まえた各国研法人からの説明・議論について(部門等の候補について)
事務局から、みどりの食料システム戦略の策定を踏まえた各国研法人からの説明・議論の進め方を説明した。

(4)成長戦略等について(報告)
・事務局から、令和3年6月18日に閣議決定された成長戦略等について、農林水産分野の記載内容を報告した。
これに対し、委員から、農林水産分野における温室効果ガスの排出削減という側面だけではなく、農林水産業はカーボンオフセットにプラスの面で貢献できるという側面がある。その側面を活かして、海外企業との競合も意識しつつ、農林水産業にお金が回るような国全体の仕組みを積極的に考えていく必要がある、という意見があった。

(5)新育種開発プロジェクトについて(年度計画の報告)
事務局から、新品種開発に関する採択課題について、進捗状況を報告した。
これに対し、
(1) 研究開発の段階から、知的財産権の保護に留意する必要があり、想定する輸出先国において品種登録を進めるということを研究チームで意識するべき。
(2) 大豆の国際マーケットが逼迫しており、大豆の輸入が厳しくなっていくことが想定される。大豆由来の肉の生産も増えてきているので、国産大豆の生産性向上等に関する研究開発に力を入れる必要があるのではないか。
といった意見があった。


 以上

公表資料

令和3年度第3回農林水産技術会議資料

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課調整室

ダイヤルイン:03-3502-7439
FAX番号:03-5511-8622