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農林水産技術会議

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花きにおけるゲノム育種基盤の構築とその利用

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
野菜花き研究部門  八木  雅史

平成30年度若手農林水産研究者表彰受賞の栄誉を賜り、誠に光栄に存じます。本研究を遂行するに当たり、ご指導とご協力を賜りました共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。

主要作物の中で最初に全ゲノム解読が行われたイネでは、ゲノム情報が新しい品種の育成に積極的に活用されています。一方、花きにおいては、これまで、耐病性や花型など様々な形質に対する遺伝情報の蓄積も少なく、遺伝背景も複雑なため、DNAマーカー開発を含むゲノム情報の育種への利用はほとんど進んでいませんでした。ところが、近年の次世代シーケンス技術の誕生と低コスト化により、花きにおいてもゲノム情報の積極的な利用が期待されています。

私は、これまでカーネーションを中心にゲノム情報を育種で活用するための研究開発を進めてきました。多数のDNAマーカーを開発し、染色体の目印となる遺伝子地図を作成した結果、そこに、一重、八重の花型や花色、萎凋(いちょう)細菌病抵抗性などの重要形質の位置を特定できました。さらに花きで初めてとなるカーネーションの全ゲノム情報の公開を行いました。その間、DNAマーカーを活用して、選抜の効率化を図り、萎凋細菌病抵抗性を持つ初めてのカーネーション「花恋ルージュ」を育成しました。2018年には、「花恋ルージュ」を素材に、DNAマーカー選抜を活用し、長崎県との共同研究で実現したスプレー系抵抗性品種「ももかれん」も誕生しています。

また、カーネーションにおけるノウハウ、技術を活用し、アジサイで初めての連鎖地図の作成、八重咲き、手まり咲きのDNAマーカー開発、ランの有する多様性のゲノム解析などカーネーション以外の品目への展開を進めています。

今後は、より多くの品目でゲノム情報が活用できる基盤を整備し、品種育成の効率化、加速化を進めたいと思います。

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図  カーネーション遺伝子地図と重要形質の位置情報の特定

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