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農林水産技術会議

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てんさい、たまねぎの安定生産に有用な微生物資材の開発と普及

十勝農業協同組合連合会有用微生物資材開発グループ  代表   三口  雅人

作物の根圏土壌中には、作物の養分吸収や病害虫抵抗性を高める機能を有する微生物が多数存在することが知られており、これらの有用微生物を農業生産現場で活用する安定生産技術の確立が期待されていました。アゾスピリラム菌は様々な植物の根に共生する窒素固定菌であり、植物ホルモン(インドール酢酸)を分泌して根系の発達と養水分の吸収を促すことで増収効果を発揮します。そこで、このアゾスピリラム菌を人工的に植物に接種すれば、安定した収量の確保が可能と考え、移植栽培を行う作物を対象にアゾスピリラム菌を含んだ使いやすい農業用資材を開発しました。

対象植物をテンサイとタマネギとしたのは、これらは北海道が主産地の移植作物であり、育苗中にアゾスピリラム菌を感染させることで、圃場で行うよりも少ないコストで効率的に感染させられるためです。開発した資材は粉状の水和剤であり、施用は灌水作業とともに行うことができます。また、アゾスピリラム菌が共生している間は緩やかですが根張り促進効果が持続するため、育苗中に1回施用するだけでも、その効果が発揮されます。この資材の使用により、テンサイおよびタマネギともに根重が増加するとともに5%以上の増収が確認されました。

開発した資材は根が増えるという意味で商品名を「ネフエール」とし、2008年より販売を始めました。2017年は、テンサイ用ならびにタマネギ用合わせて、北海道内の8,404haで使用されています。普及率はテンサイ用で12%、タマネギ用で8%用です(参照:農林水産統計)。また、北海道の農業生産額の1/4を占める十勝地方での普及率は、テンサイは21%、タマネギは25%と、他の地域より高い普及率となっています。

最後に本研究において多大なご助力を賜りました、関係機関の皆様に改めて厚く御礼申しあげます。

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微生物資材ネフエール                フエール処理による根張り促進効果(左:たまねぎ右:てんさい)

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