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農林水産技術会議

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野生種を活用した極多収サトウキビ品種の育成と普及

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構                    
九州沖縄農業研究センター畑作研究領域 主任研究員  境垣内 岳雄

南西諸島農業といえばサトウキビを思い浮かべる方が多いと思いますが、肉用子牛の生産が盛んな地域でもあります。このため、島にはサトウキビ畑と牧草畑が広がっています。本研究では、製糖用サトウキビの品種育成に携わりながら、サトウキビで牛のエサ(飼料)も作れるのではないか?とのアイデアを思いつき、挑戦することにしました。

飼料用サトウキビの品種育成では、収穫後の株再生力に優れ、収量が高いこと、また、病気に強いことを目標としました。この目標達成のために利用したのがサトウキビ野生種(和名:ワセオバナ)です。製糖用サトウキビ品種とサトウキビ野生種を交雑することで、再生力や収量が極めて高く、病気にも強い3つの飼料用サトウキビ品種(「KRFo93-1」、「しまのうしえ」、「やえのうしえ」)を育成しました。このうち、「やえのうしえ」の育成には、沖縄県西表島で収集したサトウキビ野生種を利用しており、国内に自生する植物を使って品種育成できたことに喜びを感じています。なお、飼料用サトウキビは糖度が低いため、製糖用原料としては利用できません。しかしながらが、再生力や収量が高く、病気にも強いという優れた特性を持っており、今後の製糖用サトウキビ品種の育成に向けた新素材として期待されています。

サトウキビは糖度が高くなるまで1年の期間が必要であり、年1回収穫で栽培されます。飼料用サトウキビを年1回収穫で栽培すると、生育が旺盛なために茎がひどく倒れます。こうなると収穫作業に大変苦労します。飼料用サトウキビは糖度を高くする必要がないと発想を変えて、1作の栽培期間を短くした年2回収穫による栽培体系を構築しました。年2回収穫で飼料用サトウキビを栽培すれば、収量が高く得られ、さらに倒伏も軽減できます。これにより、既存のトウモロコシ用機械で収穫できるようになりました。

今後、本研究の成果が南西諸島農業の振興に繋がることを願っております。最後になりますが、このたびは平成30年度若手農林水産研究者表彰の栄誉を賜り、誠に光栄に存じます。これまでご指導をいただいた皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。

サトウキビ1


育成した3つの飼料用サトウキビ品種

サトウキビ2


開発した年2回収穫体系で栽培した飼料用サトウキビ

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農林水産技術会議事務局研究企画課

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