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農林水産技術会議

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ナシとリンゴの省力栽培形質に関するDNAマーカーの開発

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 
果樹茶業研究部門 主任研究員  岡田 和馬 

平成29年度若手農林水産研究者表彰受賞の栄誉を賜り、誠に光栄に存じます。本研究を遂行するに当たり、ご指導とご協力を賜りました共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。

果樹生産現場では、担い手不足が深刻であり、省力栽培に適した新品種が望まれています。新品種育成を加速するためには、省力栽培形質を持つ個体を幼苗段階で正確に選抜できるDNAマーカーの開発が不可欠です。 そこで、ニホンナシとリンゴの省力栽培形質に関するDNAマーカーの開発に取り組みました。

(ニホンナシ)
多くのニホンナシは、同じ品種の花粉では結実しない性質を持つので、ナシ園では結実を確保するために、異なる品種の花粉を人工受粉する作業が行われています。一方、「二十世紀」の突然変異体として発見された「おさ二十世紀」は、同じ品種の花粉で結実する性質(自家和合性)を持つので、人工受粉を省力化することができます。突然変異の原因として、「おさ二十世紀」ではDNAの一部が失われていることを解明し、その変異を利用して自家和合性のニホンナシを選抜できるDNAマーカーを開発しました。

(リンゴ)
普通、リンゴの樹は側枝が多く発生し、枝の配置が複雑になるため、整枝・せん定に熟練を要します。一方、「マッキントッシュ」という品種の突然変異体として発見された「ウイジック」は、カラムナータイプ(円柱状)の単純な樹形になるので、せん定や収穫作業の省力化・機械化が期待されています。突然変異の原因として、「ウイジック」ではDNA上の別の部位から移動したと考えられる塩基配列が付加されていることを解明し、その変異を利用してカラムナータイプのリンゴを選抜できるDNAマーカーを開発しました。

開発したこれらのDNAマーカーは実際の育種現場で利用されており、省力栽培向け品種開発を加速することができました。今後も研究を継続し、省力栽培形質と良食味を兼ね備えた優良な新品種を早期に育成できるよう努力してまいります。

カラムナータイプのリンゴの樹形

                               
カラムナータイプのリンゴの樹形

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究企画課

担当者:戦略的実装班
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407
FAX番号:03-3507-8794

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