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農林水産技術会議

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イサダからの新規肥満抑制物質8-HEPEの同定及び抽出方法の開発

 

公益財団法人岩手生物工学研究センター 主任研究員  山田 秀俊

 

三陸地域ではツノナシオキアミをイサダと呼び、毎年3月から4月に行われるイサダ漁は春の風物詩として親しまれています。主な利用用途は養殖魚の餌や釣りの撒き餌で、水揚げ後のイサダは冷凍ブロックとして流通しています。餌としての需要が最も高かった1980年代には、年間10万トンの水揚げがあり、1kgあたり100円前後で取引されていました。現在は、養殖業やレジャー産業の変化によって、冷凍ブロックとしてのイサダ需要は減少し続けています。

岩手生物工学研究センターでは、食品としてのイサダの知名度向上と需要増加を目指して機能性研究に取り組んでまいりました。イサダに特有の新たな機能性成分を探索し、イサダの高付加価値化を図る、というコンセプトで、新規機能性成分探索に取り組み、オキアミ特有の新規肥満抑制成分:8-HEPEを発見いたしました。8-HEPEはEPAと非常に似た構造をしていますが、脂肪の燃焼を促進する効果がEPAよりも10倍高くなっています。また、海洋生物に広く含まれるEPAとは違って、8-HEPEは一部の甲殻類にのみ含まれる成分でありイサダに特に多く含まれる機能性成分であることを見出しました。

これまでの動物試験の結果から、体重60kgの成人において1日あたり50mgの8-HEPE摂取で中性脂肪の低下作用が期待されます。8-HEPEは脂肪燃焼促進活性が報告されている他の機能性成分と比べて、少ない摂取量で効果が期待できる新規肥満抑制成分ですが、100gのイサダに含まれる8-HEPEは多くても20mgなので、生のイサダから毎日50mgの8-HEPEを摂取するのは困難です。そこで、イサダを原料とした8-HEPEを含有する新規機能性素材の開発に取り組んでいます。現在は、農林水産技術会議の革新的技術開発・緊急展開事業にて三陸地域での高付加価値素材製造によるイサダ需要増加を目指して、早期実用化に向けた研究・開発に取り組んでいます。

実用化まではまだまだ課題も多いですが、本プロジェクトが三陸水産業の新しい未来となれるように、今後も研究開発に取り組んでいきたいと考えています。

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水揚げ直後のイサダ

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8-HEPE

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

担当者:広報班
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407
FAX番号:03-5511-8622

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