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農林水産技術会議

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連続的加熱成形による水産練り製品の製造

 

日本水産株式会社                 
吉富 文司、水城 健、橋立 知典

 

水産練製品の需要は年々低下し、近年、魚肉ソーセージの生産量は約5.4万トンと最盛期(1972年)の約3分の1以下となっています。これは、(1)市場に競合品や代替製品が豊富に供給され、消費者の選択肢が増えたこと、(2)消費者ニーズの変化に対応できる技術開発がなされていなかったこと等が原因と考えられます。そこで、我々は既存の食品加工技術を見直し、消費者・生産者・社会にメリットがある新規の食品加工技術開発に取り組みました。

動物性タンパク質を主成分とする食品において、加熱工程の役割の一つは、タンパク質の加熱ゲル形成性を利用して予め成形された原材料を製品の形として固定するものです。従来の成形工程は加熱工程の前にあり、原材料を予め所望の製品形状に成形、あるいは、ケーシング(内装フィルム)等に充填した後、加熱工程に進んでいました。

一方、本技術では、垂直に配置したチューブの中を練肉が上方に送られる途中でマイクロ波による加熱を行うことで、従来は別々であった成形工程と加熱工程を同時に、しかも連続的に出来るようにしたものです。

本技術により、(1)工程の簡略化や作業量の削減、ケーシング等の資材の不要化による製造原価の低減、(2)品質の均一化、(3)多品種少量生産への適応性の拡大等が実現できました。また、(1)ケチャップ等の二次素材を封入した多重構造化、(2)フライ等の二次加工への適用簡便化等の付加価値向上も図ることができました。とはいえ、開発は困難を極め、失敗の連続で何度も投げ出しそうになりましたが、チームのメンバーで励まし合い、数年かかって実用化にこぎつけました。

本技術を利用した製品は、2010年の発売以来、業務用としては惣菜、製パン、給食等で、また、家庭用冷凍食品としては、内部にケチャップを充填したアメリカンドッグ等の高付加価値商品として販売されております。今後は、使用原料を水産物だけでなく畜産物にまで広げ、技術の改良や普及を図りたいと考えております。

おさかなソーアメリカンドッグ

本技術を利用した製品の外観


マイクロ波加熱装置の模式図

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

担当者:広報班
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407
FAX番号:03-5511-8622

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