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農林水産技術会議

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栄養整えたえさ 農家に配達

 

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牛などの家畜に与えるえさの多くは外国から輸入されていますが、最近は輸入されるえさの値段が高くなっており、国内で作られたえさの重要性が見直されています。そのような中で、TMRセンターという「牛の給食センター」が今、注目を浴びています。

TMRは"完全混合飼料"

牛のえさは、牧草やわらなどの草食動物に必要な“粗飼料”と、トウモロコシや麦などのカロリーの高い“濃厚飼料”に分けることができます。TMRは、これら粗飼料と濃厚飼料にビタミンなどを加えて均一に混ぜたいわば「牛のまぜご飯」といえ、このほかにはえさを与える必要がないため、“完全混合飼料”とも呼ばれます。

実は牛にもえさの好き嫌いがあって、多くの牛は“濃厚飼料”が大好きです。もし濃厚飼料ばかりを食べてしまうと、その牛は栄養バランスを崩してひどい場合には病気になることもあります。しかし、TMRのように、粗飼料と濃厚飼料が均一に混ざって栄養バランスのとれたえさを食べれば、牛は健康を維持して、おいしい牛乳をたくさん生産してくれます。

農家に配達するTMRセンター

えさの種類や水分にもよりますが、乳牛1頭は1日にえさを60~700キロ食べます。乳牛を100頭近く飼う酪農家がTMRを与える場合には、毎日数トンのえさを混ぜて牛に与える必要があり、この作業はとても重労働です。

また、最近では、食品工場から出される規格品外となったパンやうどんなどの食品残さや豆腐粕(オカラ)などが家畜のえさとして有効に利用されていますが、発生量が多いために1戸の農家ではこれらの食品残さや粕類を全て受け入れることができません。

そこで、複数の農家分のTMRをまとめて作り、希望する農家に配達するTMRセンターが注目されています。機械や設備を備えたTMRセンターであれば、個々の農家では対応しきれない多様な原料を使って、栄養バランスのとれたえさを安価に大量に作れます。しかも、TMRを農家まで配達してくれますので、農家にとってはとても便利なサービスです。TMRセンターが「牛の給食センター」と言われるのはこのような理由からです。

 

TMRを給与  TMRを給与(畜産草地研究所  野中氏提供)

 

(絵:筒井 博子)

全国農業新聞[外部リンク] 2015年8月14日に掲載されたものを再編集

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担当者:広報班
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ダイヤルイン:03-3502-7407
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