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農林水産技術会議

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民間部門農林水産研究開発功績者表彰

平成26年度(第15回)農林水産大臣賞 業績概要

オリーブ粕の飼料化技術の開発と地域ブランド化の推進

石井 正樹 氏

農業自営

業績の概要

背景

小豆島での牛の飼育は、西暦700年からと古く、「讃岐牛」としてブランド化を図ってきたが、国内外の産地間競争の激化から、一層の差別化が求められていた。また、小豆島は、日本のオリーブ発祥の地であり、全国一の産地であるが、搾油後のオリーブ粕の処理に苦慮していた。そのような中、平成19年全国和牛能力共進会において、美味しさの審査基準にオレイン酸が取り入れられたことから、オリーブにオレイン酸が多く含まれていることに着目し、オリーブ粕を活用した「オリーブ飼料」の開発による香川県独自の牛肉のブランド化の取り組みを開始した。

研究内容・成果

「オリーブ飼料」の開発にあたり、最初にオリーブ粕を「渋柿」の原理で天日干しすることにより、渋みが取れて牛が食べることを発見した。さらに、高温乾燥することにより、糖分がメイラード反応を起こし、牛の嗜好性が増すこと、「オリーブ飼料」を給与することにより、肥育成績の向上とともに、抗酸化物質などが高くなり、さっぱりとした味わいになることを発見した。この成果をもとに、小豆島の他の2戸とともに「小豆島オリーブ牛」として販売したところ、高い評価を得たので、さらに「オリーブ飼料」の増産に取組み、県下全域に「オリーブ牛」の生産を拡大し、ブランド化を推進した。

普及状況

香川県の特産品オリーブを活用したオリーブ牛は、県産品のトップブランドとして、全国に向けて発信され、現在、オリーブ牛生産者は県内83戸、生産頭数は約1500頭(平成25年度)に達した。指定販売店は県外12店を含め67店、指定料理店は県外5店を含む64店に、取扱店舗は、県内はもとより、首都圏、関西圏などで増加している。さらに、食肉業界、飲食業界のみならず、うどん業界、ハンバーガー業界などとの連携により、さらなる地域の活性化が図られ、輸出も始まっている。

評価のポイント

高温乾燥技術により地域の未利用資源オリーブ搾り粕の飼料化に成功するとともに、この餌を給与した牛を香川県の「オリーブ牛」としてブランド化し、地域振興に寄与していることを高く評価した。

連絡先

石井 正樹

住所:〒761-4134 香川県小豆郡土庄町滝宮甲54番地

TEL:0879-64-6044

公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会のサイト