民間部門農林水産研究開発功績者表彰

業績の概要

背景

病気の診断や健康状態を把握するため、体外診断用医薬品を用いて血液等に含まれる特定の物質を測定する際に、対象物質を定量化するために「標準品」が必要となる。この標準品の原料製造において、品質とコストを両立させることが困難な場合があり、これまで商品化にあたって高い障壁となっていた。

研究内容・成果

国立研究開発法人農業生物資源研究所との共同研究によって作製された遺伝子組換えカイコは、標準品として、性能の高い組換えタンパク質を大量に精製することができ、安価で安定的な診断薬の商品化を実現した。 この組換えタンパク質を原料とすることで、臨床現場に対して高品質な製品を安定的に供給することが可能となった。

普及状況

遺伝子組換えカイコ技術を用いたヒト用の骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ測定キット「オステオリンクスTRAP-5b」は、平成24年度の市販化以降、国内外の検査センターを中心に順調に普及し、平成26年度は約130万テスト分を出荷した。骨粗鬆症マーカーとして、臨床現場で広く普及している。