第193回農林交流センターワークショップ
環境DNA 活用による土壌微生物相解析―PCR-DGGE 解析実習
趣旨
土壌微生物は、土壌病害の発生や養分供給などの面から農作物の生産に非常に深く関わっています。従来、土壌の生物性評価には各種の培養法が用いられてきました。しかし、土壌中の微生物の大部分は培養そのものが困難であるということが広く認識されるのに伴い、土壌から直接抽出したeDNA(environmental DNA)を利用する培養非依存型の微生物相解析技術が盛んに用いられるようになってきています。そうした技術の一つとして、PCR-DGGE法(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)があります。この技術は、土壌微生物相を電気泳動のバンドパターンとして視覚化するものであり、土壌間の微生物相の比較や優占微生物種の同定を可能にします。本ワークショップでは、農林水産省プロジェクト研究「土壌微生物相の解明による土壌生物性の解析技術の開発(平成18 年~22 年度)」で策定した標準マニュアル(http://www.niaes.affrc.go.jp/project/edna/edna_jp/index.html から入手可能)に則って土壌DNA 抽出及びPCR-DGGE 解析を実際に体験していただく実習中心のプログラムを予定しています。今年度はより先進的な技術の紹介として、eDNA を用いた微生物の量的な評価手法や土壌RNA 解析の講義も取り入れるとともに、これら環境DNA 手法の活用といった応用面についても議論を深めたいと考えています。
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講義と実習内容
2015年8月5日(水曜日)
14時00分-14時05分 | 【挨拶】農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所 研究交流課長 池田 仁 |
14時05分-17時00分 | 【講義】「土壌からのDNA 抽出とその活用_講習の概要」農業環境技術研究所 星野(高田)裕子 【実習】「土壌からのDNA 抽出」 星野(高田)裕子 |
2015年8月6日(木曜日)
09時00分-09時20分 | 【講義】「土壌からの抽出DNA/RNA を用いた微生物の解析」星野(高田)裕子 |
09時20分-11時30分 | 【講義】「PCR-DGGE による土壌微生物相解析」星野(高田)裕子 【実習】「DGGE ゲルの作成」 星野(高田)裕子 |
11時30分-12時00分 | 【講義】「土壌中の微生物rDNA の定量」農業環境技術研究所 酒井 順子 |
13時00分-15時00分 | 【実習】「DGGE サンプル調整と泳動」 星野(高田)裕子 |
15時00分-15時40分 | 【講義】「農業分野におけるPCR-DGGE 法活用の現状」農業環境技術研究所 對馬 誠也 |
15時40分-16時20分 | 【講義】「PCR-DGGE 法を土壌病害の診断に役立てる」農業環境技術研究所 吉田 重信 |
16時20分-16時40分 | 【講義とデモ】「eDDAS の概要とその使い方」農業環境技術研究所 松下 裕子 |
16時45分-17時15分 | 【質疑応答と討論】「PCR-DGGE 法等環境DNA を用いる解析の活用について」 對馬誠也・吉田重信・星野(高田)裕子 |
2015年8月7日(金曜日)
09時00分-09時45分 | 【実習】「DGGE ゲルの染色」星野(高田)裕子 |
10時00分-11時45分 | 【実習】「DGGE ゲルイメージの取り込み」星野(高田)裕子 |
13時00分-14時00分 | 【講義】「土壌から抽出したRNA からわかる土壌微生物の働き」農業環境技術研究所 藤井 毅 |
14時00分-14時10分 | 【まとめ】講習のまとめ、質疑応答、解散 |
(備考)
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お問合せ先
農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課
電話:029-838-7136 メール:
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