第191回農林交流センターワークショップ
栽培試験における気温の観測技法と利用
趣旨
近年、農業試験研究の現場では夏期の異常高温などにより生じる農作物の生育障害への対応を迫られています。しかし、研究に際して、不適切な方法で観測・収集された気温データを説明変数として栽培試験の解析を行えば、結果の汎用性が失われたり、誤った解釈を導いたりしかねません。そこで本ワークショップは、気象を専門としない農業研究者を対象として、作物の栽培試験において気温を正しく観測して利用するために必要な一連の知識と技法を総合的に習得できる機会を提供します。
圃場や温室における気温の観測では、日射熱がセンサーに及ぼす影響を遮るために、強制通風式の放射除けの使用が必須です。そこで、参加者は農環研が開発した安価で自作可能な強制通風筒「NIAES-09S(改)」をそれぞれ製作します。続いて、それらを圃場や温室に設置して気温と湿度の観測を行い、観測条件の違いによって得られる値にどのような変化が生じるのかを確認しながら、観測技法を実地に習得します。なお、本ワークショップで製作した強制通風筒は持ち帰りいただき、実際の研究現場ですぐに役立てていただく事ができます。
また、気温観測の理論、気象データのまとめ方、植物体温と気温との違い、面的な気象分布を推定したメッシュ気象値の利用方法と注意点、農耕地で観測される気温とAMeDASのそれとの違いなどを、それぞれ講義や実習により解説します。
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講義と実習内容
2015年6月10日(水曜日)
08時45分-08時50分 | 【挨拶】農林水産省農林水産技術会議事務局 筑波事務所 研究交流課長 池田仁 |
08時50分-09時20分 | 【講義】「NIAES-09S型強制通風筒の紹介」農業環境技術研究所 福岡峰彦 |
09時20分-15時20分 | 【屋内実習】「NIAES-09S型強制通風筒の製作」農業環境技術研究所 福岡峰彦 |
15時30分-17時00分 | 【屋外実習】測器の設置(圃場コース:農環研圃場/温室コース:花き研温室) |
2015年6月11日(木曜日)
08時30分-09時50分 | 【講義】「気温・湿度観測の理論と注意点」農業環境技術研究所 桑形恒男 |
09時55分-11時15分 | 【講義】「作物栽培試験における気温・湿度の観測技法」農業環境技術研究所 福岡峰彦 |
11時20分-12時00分 | 【講義】「植物の体温はどのようにして決まるのか」農業環境技術研究所 吉本真由美 |
13時00分-14時20分 | 【講義・屋内実習】「メッシュ気象値の利用方法と注意点」農業環境技術研究所 石郷岡康史 |
14時25分-14時55分 | 【講義】「農耕地の気温はAMeDASの気温とどう違うのか」農業環境技術研究所 桑形恒男 |
15時00分-15時30分 | 【講義】「産学官連携における活用事例の紹介」農研機構花き研究所 牛尾亜由子 |
15時30分-15時50分 | 【ディスカッション】「習得内容をどのように産業に活かせるか」農業環境技術研究所 福岡峰彦 |
16時00分-16時30分 | 【屋外実習】総合気象観測装置の見学(農環研気象観測露場)農業環境技術研究所 桑形恒男 |
16時30分-17時00分 | 【屋外実習】観測データの回収(圃場コース:農環研圃場/温室コース:花き研温室) |
2015年6月12日(金曜日)
08時30分-09時30分 | 【講義・屋内実習】「気象観測データのまとめ方」農業環境技術研究所 石郷岡康史 |
09時35分-14時00分 | 【屋内実習】観測データの解析 農業環境技術研究所 福岡峰彦 |
14時00分-15時10分 | 【発表】解析結果の発表と考察 |
15時10分-15時30分 | 【質疑】質疑討論 農業環境技術研究所 桑形恒男、吉本真由美、石郷岡康史、福岡峰彦 |
お問合せ先
農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課
電話:029-838-7136 メール:
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