第185回農林交流センターワークショップ
農産物・食品の総抗酸化能測定法 (ORAC法)
(第86回食品総合研究所 食品技術講習会)
趣旨
ヒトは呼吸により体内に取り込んだ酸素を利用してエネルギー産生を行っており、そのうちの数%は活性酸素種に変換されることが知られています。活性酸素種は生体防御に有用ですが、一方では過剰に産生された活性酸素種は、様々な疾病の発症や老化に関与するとも考えられています。活性酸素種を消去する機能(抗酸化能)を有する抗酸化物質は果実・野菜等に豊富に含まれるため、これらの摂取は生活習慣病予防等の点からも注目されています。抗酸化能の評価法のうち、ORAC(酸素ラジカル吸収能)法は、その生体適合性、汎用性に優れることから、統一的な抗酸化能測定法とする試みが進められています。
本ワークショップでは、ORAC法について講義するとともに、標準化された親水性ORAC(H-ORAC)測定法と食品からの抽出法の実習、および親油性ORAC(L-ORAC)測定法のデモンストレーションを予定しています。あわせて、機能性研究における抗酸化能評価の位置づけ、抗酸化能表示に対する社会的要請、一般的な食生活からの抗酸化物質の摂取量推定、抗酸化能を指標とした農産物の高付加価値化の試み、またカロテノイド等の抗酸化能評価に用いられる一重項酸素吸収能(SOAC)の測定法についても講義をします。
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講義と実習内容
2014年9月16日(火曜日)
10時00分-10時05分 | 【挨拶】農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所 研究交流課長 池田 仁 |
10時05分-10時30分 | 【講義】「食品の抗酸化能測定の意義」農研機構 食品総合研究所 石川(高野)祐子 |
10時30分-11時15分 | 【講義】「抗酸化能表示の世界的な動向と表示に対する消費者意識」農研機構 中央農業総合研究センター 後藤 一寿 |
11時15分-12時00分 | 【講義】「ORAC法の改良と妥当性確認」農研機構 食品総合研究所 渡辺 純 |
13時00分-13時45分 | 【講義】「H-ORAC法を用いた野菜・果物等からの親水性抗酸化物質一日摂取総量の推算」 国立健康・栄養研究所 竹林 純 |
13時45分-14時30分 | 【講義】「食品の一重項酸素消去活性評価法の確立」カゴメ株式会社 相澤 宏一 |
14時30分-14時45分 | 【質疑応答】 |
15時00分-16時45分 |
【講義・実習】(講義終了後、食品総合研究所へ移動) 「 高速自動溶媒抽出機を用いた食品の凍結乾燥物からの試料調製方法」渡辺 純 |
2014年9月17日(水曜日)
09時00分-12時00分 | 【講義・実習】「H-ORAC測定」渡辺 純、他 |
13時00分-14時30分 | 【講義・実習】「H-ORAC測定データの解析」渡辺 純 |
14時30分-15時30分 | 【講義・デモンストレーション】「L-ORAC測定法」渡辺純、他 |
15時30分-15時45分 | 【質疑応答】 |
お問合せ先
農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課
電話:029-838-7136 メール:
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