農業温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)
1.GRAの概要
設立の背景
ニュージーランド(NZ)が中心となって、農業分野の温室効果ガス排出削減等に関する研究ネットワークとして「グローバル・リサーチ・アライアンス」(GRA)の設立を各国へ呼びかけ、2009年12月にコペンハーゲンで開催された気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)において、正式な立ち上げに向けて我が国を含む21か国の意図表明を行う閣僚級共同声明が発出されました。また、2011年6月には、ローマで開催された閣僚サミットにおいて、アライアンス憲章が我が国を含む32か国によって署名されました。
GRA議長国は、主に1年任期で各国が担当してきており、我が国は2017年8月から2018年9月まで議長国を務めました(議長は国際農研の岩永理事長(当時))。事務局はGRA設立以来、ニュージーランドが担っています。
グローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)(外部リンク)
GRAの体制
GRAには、農業由来の温室効果ガス排出削減、土壌の炭素貯留等に関する研究を推進するため、水田・農地・畜産の3つの研究グループと統合研究グループが設置されており、日本は各グループに窓口研究者を配置して貢献しています。
GRAにおける我が国の紹介ページ(外部リンク)
また、水田研究グループにおいては、2023年2月現在、我が国がウルグアイ、セネガルとともに議長国として貢献するとともに(農研機構農業環境研究部門から共同議長を輩出)、アジア水田分科会を主導しています。
参加国等
2023年3月現在、67か国と多数のパートナー機関が参加しています。GRAコミュニティページ(外部リンク)
(アジア・パシフィック)
オーストラリア、バングラデシュ、中国、フィジー、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、ニュージーランド、フィリピン、サモア、韓国、スリランカ、タイ、ベトナム共和国
(ヨーロッパ)
ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、リトアニア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国
(アメリカ)
アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、米国、ウルグアイ
(アフリカ)
ベナン、カメルーン、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エジプト、エスワティニ、エチオピア、ガーナ、ケニア、マラウイ、ナミビア、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、チュニジア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
2.トピックス
第11回GRA理事会の開催
2022年2月21日から23日にかけて、第11回GRA理事会がオンラインで開催されました。
チリが議長国を務め、ワーキンググループの活動報告や、新しい旗艦プロの選考が行われました。
GRAウェブページ(外部リンク)
過去のトピックス
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第7回GRA理事会等の開催
2017年8月29日から9月1日にかけて、つくば国際会議場(エポカルつくば)において、第7回GRA理事会が開催されました。本GRA理事会はアジアで初めての開催となりました。
本GRA理事会において、我が国は議長国として(副議長国はドイツ)、GRAの研究活動の推進、GRAメンバー国・パートナー機関の拡大、GRAのアウトリーチ活動、外部資金の調達等を積極的に検討・実施していることを発言しました。
3.関連情報
委託プロジェクト研究
途上国での気候変動対策への取組としてGRAと連携しながら、アジア地域の水田からの温室効果ガス排出削減技術の開発を実施しています。
- アジア地域の農地における温室効果ガス排出削減技術の開発(平成25~29年度)
- 国際連携による農業分野における温室効果ガス(GHG)削減技術の開発(平成30~令和4年度)報告書掲載ページ、GRAにおける本研究の取組紹介(外部リンク)
お問合せ先
国際研究官室
担当者:国際機関班
代表:03-3502-8111(内線5902)
ダイヤルイン:03-3502-7466