へた部を空気で吸いつける
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イチゴ農家が働く時間の約3割が収穫したイチゴの選別やパック詰めなどの出荷作業です。出荷作業を楽にするために、すでに自動でイチゴの品質や大きさを選別する選果機が使われるようになっています。この自動選果機は、柔らかい搬送容器に人手でイチゴを載せると、品質や大きさを自動で計測して選別することができます。 パック詰めは重労働これまでは、自動で選別した後に人手でパック詰めしていたので、大量のイチゴが集まるとパック詰めが間に合わず、せっかくの自動選果機を止めなくてはならないことがありました。また、このパック詰めは最盛期には夜中までかかるだけでなく、イチゴの傷み防止のために寒くても暖房を使えないので、非常につらい作業です。そのため、パック詰めを楽にしようと、これまで多くの研究開発が行われてきました。 しかしながら、パック詰めした際の見栄えが重視されるイチゴは非常に傷つきやすいため、ロボットによるパック詰めは長年の課題でした。 無傷で素早くそこで、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構・農業技術革新工学研究センターと農業機械メーカーが共同で、イチゴを自動選別した後、傷つけることなく平詰めソフトパックに向きをそろえて並べるためのイチゴパック詰めロボットを開発し、販売しています。 イチゴを傷つけずに持ち上げるため、傷つきにくいへた部を空気で吸いつける方法を開発しました。イチゴを吸いつける部分にはイチゴの向きに合わせて変形する柔らかい素材を用いるなどの工夫をして、99%以上吸いつけられるようになりました。この吸着ハンドを6台同時に動かすことで、人手よりも40%程度早くパック詰めできます。人より早くパック詰めができるロボットを使うことで自動選果機を止めることなく効率的な出荷作業ができるようになります。 このイチゴパック詰めロボットにより、イチゴ生産者が出荷作業の重労働から解放され、よりきめ細かい栽培管理や規模拡大に注力できるようになることが期待されます。
(絵:筒井 博子) 全国農業新聞[外部リンク] 2016年6月24日に掲載されたものを再編集 |
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