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農林水産技術会議

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麦用機械を利用して高速作業

 

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畑の土にいる病原菌に強く、おいしいトマトやスイカを作りたいと思ったとき、どうしたらよいと思いますか?両方の性質をもつ品種を作ることができればよいのですが、これはなかなか難しいのです。そこで以前から使われているのが「接ぎ木」という技術です。

トマトの病気には土壌中の病原菌によって急激に葉や茎が枯れてしまう、青枯病という病気があります。接ぎ木は、「台木」に青枯病菌が植物体内で増えたり移動したりするのを抑える力を持つ品種を使い、この茎に「穂木」として実のおいしい品種を接いで育てるという方法です。二つの植物なのに、うまくつながれば、一つの植物と同じように成長します。

これまで、この接ぎ木法はトマト青枯病の防除にとても有効でした。ところが、毎年同じ畑でトマトを作ることで土の中の青枯病菌の密度が上がり、これまで有効だった接ぎ木法では青枯病が抑えきれなくなってきました。最近の温暖化もその原因と考えられています。

◆「高接ぎ木」法の開発

台木の根や茎の内部を詳しく調べたところ、茎の上にいくほど青枯病菌があまり見つからないことがわかりました。そこで開発されたのが、「高接ぎ木」という方法です。これは、通常の接ぎ木法と比べて、台木の茎を長く伸ばし、地面から離した上の方で穂木に接ぐ方法です。高接ぎ木法は台木の部分が長いため、根から病原菌が侵入しても、穂木まで届きにくいのです。

高接ぎ木は、普通の接ぎ木よりも青枯病を防ぐ効果が高く、普通の接ぎ木と同じように生育し、おいしい実がたくさん採れます。

◆「高接ぎ木」苗の広まり

このようにすばらしい高接ぎ木法ですが、自分で高接ぎ木苗を作ろうと思うと手間が掛かり大変です。最近では、苗を生産する会社に高接ぎ木苗を生産、販売する仕組みが整ったので、農家の方はこの苗を購入し、安心してトマトを作ることができるようになりました。

 高接ぎ木苗の苗姿


高接ぎ木のトマト青枯病防除効果

(上)高接ぎ木苗の苗姿、(下)高接ぎ木のトマト青枯病防除効果

(絵:筒井 博子)

全国農業新聞[外部リンク] 2016年4月22日に掲載されたものを再編集

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