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農林水産技術会議

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傾斜地でも安心のバランス機能

 

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中山間地とは、平野を囲む緩やかな傾斜地から山間地を指します。中山間地の水田は平坦地と違って面積が狭く、形も不ぞろいなため、大型の機械を使って能率よく農作業を行うことが難しいので、人間が押して作業する歩行型の機械なども使われています。

このような傾斜地での作業のきつさや農作業をする人の減少、高齢化などで、耕作放棄される水田が増えて深刻な問題となっています。

そこで、農研機構・生研センターと農業機械メーカーが共同で、中山間地の水田でも使え、乗ったまま作業ができる新しい小型の多目的管理機(通称「中山間ビークル」)を開発しています。

ビークル1台で何役もこなす

これまでは作業ごとにそれぞれ異なる機械を用意する必要がありましたが、中山間ビークルは耕うん、田植え、溝切りや農薬散布などの管理作業を1台でこなせます。

例えば耕うん作業では、歩行型耕うん機を改造した作業機を取り付けることで、乗ったまま耕うんが行えます。田植え用作業機を取り付ければ、田植機に早変わり。1台でさまざまな農作業に使うことができるので、機械を購入する費用を抑えることができます。

中山間地での運転も安心

また、中山間ビークルは後輪を上げ下げできるユニークな機能を持っています。後輪を下げると前方に傾いた姿勢をとることができます。この機能を使うことにより、田植えや管理作業後に水田から出る時や、傾斜のきつい農道を走行する時に後方へ転倒しそうになるのを防げます。

さらに、中山間地の農道は起伏が多く、横方向に大きく傾くこともあるため、横方向の傾きにも耐えられるように、車体の重量バランスが工夫されています。

このような新機能により、作業者は傾斜地でも安心して運転できるようになります。

さまざまな新しい機能を盛り込んだ中山間ビークルは、現在、開発の最終段階に差し掛かっており、多くの人に使ってもらえるように改良が進められています。

中山間地における水田農業の維持・振興に向けて、中山間ビークルの活躍が大いに期待されます。

 

写真  傾斜地を走行する中山間ビークル

(絵:筒井 博子)

全国農業新聞[外部リンク] 2015年12月18日に掲載されたものを再編集

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ダイヤルイン:03-3502-7407
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