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農林水産技術会議

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飛ばないナミテントウ

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作物に付く害虫を退治する目的で、化学農薬をまく代わりに、害虫を食べる昆虫(天敵)を使う方法があるのをご存じですか。例えば、農業用ハウスでアブラムシが大量に発生すると作物に被害が生じますが、そこに天敵のナミテントウを放すことでアブラムシを捕まえて食べてもらうという方法があります。

今までの問題点

これは良いアイデアなのですが、せっかく作物の上にナミテントウを放してもハウス内の天井に集まってしまい、アブラムシを食べてくれないことが多いという問題がありました。上に向かって飛んでいくナミテントウの性質が、農業に利用する際には邪魔になっていたのです。

飛ばないナミテントウ

自然界にはあまり飛ばないナミテントウも存在することがわかりました。そうした個体を交配させ、飛ばない子どもを選び出すという作業を30世代も繰り返し、最終的に飛ばないナミテントウを得ることができました。現在、これは生物農薬として市販されており、農業用ハウスで利用することができます。
飛ばないナミテントウは幼虫の状態で市販されています。ハウス内に幼虫を放すとアブラムシを食べて大きくなり、成虫になっても飛ばずに食べ続けてくれます。生まれてくる子孫もやはり飛ばない性質があるため、長期間アブラムシを退治する効果が期待できます。

また、この飛ばないナミテントウは、遺伝子組み換え技術を使わずに作りました。このためハウス内から飛ばないナミテントウが逃げ出した場合、ふつうのナミテントウと交配すると飛ぶ性質の子孫が生まれますが、生態系を乱す心配はありません。

 

(絵:筒井 博子)

全国農業新聞[外部リンク] 2015年3月27日に掲載されたものを再編集

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