このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

田植えに役立つ山の雪

漫画2

漫画3

 漫画1

 

雪が残る山並みを遠景にした代かきや田植えは、日本の典型的な田園風景の一つです。里の雪は苦労の種ともなりますが、山の雪は米作りに役立つ面をもっています。

田植えの時期を告げる「雪ゆき形がた」

雪形を知っていますか?山に積もった雪が解け、白い雪と黒っぽい山肌で形作られる模様のことです。主に4月から6月に見られ、田植えの時期などと重なることから、昔から農作業の目安にされてきました。このため農業に関わる名前が多く、白しろ馬うま岳だけの「代かき馬」、爺じいヶが岳たけの「種まき爺さん」などが代表的です。
雪形が現れるほど雪解けが進むと、川の水量はそれまでの数倍に増えて水田を潤してくれます。このように、日本の雪山は、下流の農地が水を必要とする春から初夏に雪解け水をたっぷりと供給してくれているのです。

雪解け水をゆっくりと送りだす森林

森林があると雪解け水がさらに使いやすくなります。その秘密は、森林が雪解け水に与える2つの「ゆっくり」です。1つは、樹木が日光を遮るため雪解けがゆっくりと進むことです。2つ目は、森林が育てたふかふかの土に雪解け水がしみ込んで地下水となり、ゆっくりと川まで動いていくことです。これに対して、土が少ない岩山などでは雪解け水が一気に流れてしまい、洪水のようになってしまうため、農業に利用するのがなかなか難しくなります。
日本でおいしいお米ができるのは、恵まれた自然とそれを上手に利用する知恵がそろっているからなのです。

(絵:筒井 博子)

全国農業新聞[外部リンク] 2013年5月31日に掲載されたものを再編集

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

担当者:広報班
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7407
FAX番号:03-5511-8622

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader