このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

ICTを利用した養殖魚の感染性疾病予防システム構築のための基盤研究

年度
2018
ステージ
発展
分野
水産(養殖)
適応地域
中四国
キーワード
魚病、養殖魚、早期発見、早期対策、マニュアル
課題番号
27016B
研究グループ
愛媛大学南予水産研究センター、愛媛大学沿岸環境科学研究センター、愛媛県農林水産研究所水産研究センター、水産研究・教育機構増養殖研究所、愛南町、愛南漁協
研究総括者
愛媛大学南予水産研究センター 清水園子
研究タイプ
重要施策対応型
研究期間
平成27年~29年(3年間)
PDF版
ICTを利用した養殖魚の感染性疾病予防システム構築のための基盤研究(PDF : 1014.6KB)

1 研究の目的・終了時の達成目標

養殖現場において、感染症による魚病の発生は安定的生産を妨げる大きな要因となっており、魚病の早期発見、発生予測および早期対策技術が求められている。このため、養殖海域での魚病病原体を高感度に監視するための『病原体監視プロトコル』案を作成すると共に、感染に伴う養殖魚生理状態解析および病原体毒性解析を基に、蔓延防止案を検討し、これらの成果を基に、養殖現場のための『疾病予防マニュアル案』(「情報発信マニュアル案」および「現場対応マニュアル案」)の作成を達成目標とする。

2 研究の主要な成果

(1) 病原体の高感度ゲノム解析により愛媛県福浦湾における病原体遺伝子の挙動を明らかにした。また、湾内の水温情報と海洋物理モデル解析により、福浦湾の海水交換率の動向が2週間先まで予測可能となった。

(2) 魚病病原体を高感度に監視するための『病原体監視プロトコル』案を作成した。

(3) マダイエドワジエラ症の早期検出に、海水および臓器中病原体遺伝子の検出が有効であり、その時点での早期投薬が被害低減に有効であることを示したまた、病原体毒性特異的マーカーを明らかとした。

(4) 漁業者へ迅速に魚病情報を発信し、現場で対応するための、愛南町の情報発信システムを活用した魚病「情報発信マニュアル案」および「現場対応マニュアル案」を作成した

3 今後の展開方向

(1) 継続したモニタリングを行うことで予測精度を向上させる。

(2) 漁業者の協力のもと、養殖現場で実用化試験を行い、現場情報をマニュアルに反映させる。

【今後の開発・普及目標】

(1) 2年後(2019年)は、ICTやIoTを利用した疾病予防マニュアルの運用法を確立する。

(2) 5年後(2022年)は、ICTやIoTを利用した疾病予防マニュアルを愛媛県愛南町の実海域で実用化する

(3) 最終的には魚病による斃死などの被害が低減される。

4 開発した技術・成果の実用化により見込まれる波及効果及び国民生活への貢献

(1) 全国では約100億円(H25年、水産白書)に上る魚病被害を大幅に軽減することができる。また、エドワジエラ症の早期対策により死亡率を30%軽減に貢献でき、養殖業者の経営安定化に貢献出来る。

(2) 生産量および品質が安定するとともに価格の安定化に繋がり、現在苦しい立場にある生産、流通・加工現場を含む水産関連産業が安定化すると共に、消費者にも安定した価格で水産物が供給されると期待される。すなわち、我が国の食生活・食文化の維持、食糧自給の安定に貢献すると共に、水産業や地域経済の持続的な発展に寄与すると考えられる。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

愛媛大学南予水産研究センター

TEL 0895-82-1022

同じ分野の研究成果

水産
養殖
未利用資源である磯焼けウニの食品としての健康機能解明と蓄養技術開発
水産
養殖
世界初の身が2倍の優良品種「ダブルマッスルトラフグ」の量産化システムの構築
水産
養殖
道東海域の雑海藻を原料とした水産無脊椎動物用餌料の開発と利用
水産
養殖
幻の赤海苔「カイガラアマノリ」の農水工連携による陸上増養殖技術の開発
水産
資源管理
海の中から消費までをつなぐ底魚資源管理支援システムと電子魚市場の開発

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader