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農林水産技術会議

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第522回農林水産技術会議の概要

1.日時平成12年1月18日(火曜日)14時00分~16時50分

2.場所農林水産技術会議委員室

3.議題

(1)平成12年度予算及び組織・定員について

(2)九州農業試験場研究レビューついて

(3)畜産試験場研究レビューについて

(4)遺伝子組換え農作物等の環境安全性の確保に関する検討専門委員会の設置について(案)

(5)独立行政法人化に向けた今後のスケジュールについて

4.出席者

甕会長、高橋委員、畑中委員、原田委員、佐々木委員、佐和委員、堤生物系特定産業技術研究推進機構理事長、中川原農業研究センター所長、三輪事務局長、三野研究総務官、坂野研究総務官、海野総務課長ほか

5.議事概要

(1)平成12年度予算及び組織・定員について

海野総務課長から、資料1-1に基づき、平成12年度の予算及び組織・定員について説明があった。

(2)九州農業試験場研究レビューについて

1)佐藤研究管理官から、資料2-1に基づき、九州農業試験場の研究レビュー実施に当たっての基本認識と主な指摘事項を説明し、続いて、三上九州農業試験場から、資料2-2に沿って指摘事項に対する対応(案)を説明した。

2)さらに研究レビューに参画した畑中委員から概略以下の説明があった。

九州は農業が基幹産業であり試験研究に対する農家や各県の期待は大きい。その意味で恵まれた環境にある。九州農業試験場の研究は現場に密着している点は評価できる。

独立行政法人に移行した場合には、理事長の権限が大きくなり、研究資金がまとまって交付されるので法人の自主性が高まるものと思うが、今まで以上に研究管理が重要となり、事務処理も見直しが必要となる。独立行政法人化のキーワードは「柔軟に」ということだが、そのような体制を独立行政法人設立までに作り上げることが大事。

九州農業試験場ではプロジェクト予算を組み直して、研究室間の連携がうまく図れるよう工夫しており、独立行政法人化によって研究がさらにやりやすくなるだろう。

3)以上の説明に対し、概略以下のやりとりが行われた。

沖縄農業のメインであるさとうきび生産は天候に左右され、年によって糖度が9%以下になることから、品種開発に相当力を入れる必要があるのではないかとの質問があった。これに対し、三上九州農業試験場長から、種子島にあるさとうきび育種研究室において、早期・高糖性で収穫期間が長く、工場の稼働期間をのばせる品種の育成に取り組んでおり、種子島で栽培されているさとうきびの98%がその品種で占められ、さらに超早性の品種も開発中であるとの説明があった。

大学との連携、離島における研究を進めるに当たって、石垣島にはJIRCAS支所、西表島には琉球大学の共同利用施設があるので、研究者の方には是非活用してもらいたいとの発言があった。

地域総合研究については、自給率向上に資する自給飼料基盤に立脚した畜産はこれまでも行われてきたが、期待以上の成果が得られていない現状を踏まえ、地域農業の構造をこうすれば良いという姿を示すことが重要だが、家畜と草地の連携がなかなか進まない要因を解析して提言することも必要ではないかとの質問があった。これに対し、三上九州農業試験場長から、九州農業試験場で取り組む研究課題と認識しており、九州の地域別にどうすれば全体の自給率が向上するかという試算を行い、これを踏まえ中高地、低地別にどうすれば良いかを検討中であるとの説明があった。一方、自給飼料基盤の確立のための処方箋は書けるが、要因を特定し、このために改善が進まないというのは書き難い話であり、技術的にできることの限界をはっきり書き込んだ方が良いのではないかとの発言があった。

(3)畜産試験場研究レビューについて

1)佐藤研究管理官から、資料3-1に基づき、畜産試験場研究レビュー実施に当たっての基本認識、研究レビューにおける主な指摘事項について説明し、続いて、横内畜産試験場長から、資料3-2に沿って指摘事項に対する対応(案)を説明した。

2)さらに、研究レビューに参画した畑中委員から概略以下の説明があった。

独立行政法人化によって畜産試験場と草地試験場が一緒になるので全体として畜産研究がうまくいくと思われる。

それから、家畜の改良も分子レベルの話になってきているが、ゲノム解析は別の研究所へ移るので、イネの場合もそうだが、うまく連携して進めることが重要である。

移植臓器や脳機能の研究をどこまで畜産試験場で実施するかについては、一定の段階で相手先に渡すとか共同研究するとかの見極めが必要である。

クローン牛の安全性については、常識的に問題ないと考えているが、そう思わない人もいることも念頭に置く必要がある。

最後に、九州農業試験場の研究レビューのときも指摘したが、独立行政法人化した際には、柔軟な研究管理や研究の総合化などにスピーディに対応して存在感を示してほしい。

3)以上の説明に対し、概略以下のやりとりがあった。

クローン牛の表示をすると消費者は不安感を持つので、研究の段階で安全性のお墨付きを出した方が良いのではないかとの質問があった。これに対し、事務局から、クローンには2種類あり、このうち受精卵クローンについては、全く問題がないので自信をもって出荷したところ、クローン牛と報道されたために体細胞クローンと誤解されてしまった経緯があるが、農水省も技術会議も問題ないと主張し、販売店の指定等の措置を講じたことで、最近は受精卵クローンに対する理解はだいぶ得られてきたと思うとの説明があった。

クローン牛については、科学技術庁、厚生省とも安全と言っており、生産サイドの農水省がPRすれば消費者は安心すると思うが、クローン表示をすると消費者は特殊なものと思ってしまうので技術会議の方からよくPRしてほしいとの意見があった。

受精卵クローンのPAの仕方について、その安全性を強調する余り、「組換えではないから安全だ」という言い方は止めてもらいたい。組換えがいかにも危険なように思われるとの意見があった。

去年、受精卵クローン牛肉の試食会を開催したところ概ね好評であったが、中には食べない人もいたとの紹介があった。一方、この問題は、価値観の問題で、欧州ではどんなにおいしくても自然の方が良いとする人が増えており、人為を加えることを嫌うポストマテリアリズムの考えが根底にあるとの指摘があった。

牛の飼養頭数が多いアメリカではげっぷ起源のメタン発生がかなりの量にのぼるが、日本における家畜のげっぷ起源のメタン発生量はどの程度と試算されているかと質問があり、事務局から、世界的にはげっぷを含む反すう動物起源のメタン発生の割合は約15%で、家畜の多いニュージーランドは多く、日本は先進国では中位との説明があった。

人に移植可能な臓器の開発について、その部位と研究の意義について質問があり、これに対して、本研究は当面肝臓を対象とし、将来的には腎臓、心臓を考えているとの説明があり、また、人の移植用臓器が不足している中では本研究は重要との発言があった。

美味しい肉の生産以外に動物ゲノム研究の成果として何が期待できるのかとの質問があり、これに対して、例えば、牛乳中に有用物質を生産させることが考えられ、現在その基礎的研究を実施中であるとの説明があった。

畜産試験場の外国人研究者が7年間の研究を終えて英国に帰国した事例を踏まえ、畜産分野の海外との人材交流について、欧米に比べてどの程度の水準にあるのかとの質問があり、これに対して、我が国にも制度があり活用しているものの、何れも1~2年間の短期間で7年間も外国で研究できる制度はないが、これは公務員制度全体の問題かもしれないと説明があった。さらに、畜産試験場の事例については、科学技術庁のフェローシップ制度で畜産試験場に受入れ、その後農林水産省に本採用となったケースであり、現在、農業関係で9名の外国人研究者を受け入れているが、現行制度では外国人研究者は研究部長まではなれるが、中枢の管理職にはつけないとの説明があった。

(4)遺伝子組換え農作物等の環境安全性の確保に関する検討専門委員会の設置について(案)

吉田先端産業技術研究課長から、資料4に基づき、「遺伝子組換え農作物等の環境安全性の確保に関する検討専門委員会の設置について(案)」について説明した。これに対して、バイテク予算が増額されている中、検討に当たっては研究者の意欲を削ぐことのないようにしてほしいとの意見があった。検討専門委員会の人選、設置時期については、会長一任となった。

(5)独立行政法人化に向けた今後のスケジュールについて

海野総務課長から、資料5に基づき、独立行政法人化に向けた今後のスケジュールについて説明し、これに対して、概略以下の指摘があった。

独立行政法人の研究業務については、各場所でも検討していると思うが、検討の手本がない中でうまくとり進めていくことが必要で、その際、各当事者の参加、意志疎通を図りながら、注意深く進めてほしい。

来年の今頃は、技術会議の研究評価のほかに評価委員会の政策評価が行われることになっているが、事務局の役割との調整については13年度予算の概算要求までに整理が必要である。

独立行政法人化は今年の技術会議の最大の課題であるので、研究業務や事務局見直しの姿が具体化した段階で、一度議論が必要である。

今回の独立行政法人化については、技術会議の設立時、昭和41年に現体制になったとき以来の大変革であり、研究を足踏みさせることがないようにしなければならない。

中期目標、中期計画については、ある程度簡便なものを作成して、柔軟に対応できるようにすれば良い。個人的な経験を踏まえると、独立行政法人となった後もしばらくは事務局で管理することが必要なのではないかと思う。

(6)その他

以前の技術会議で説明があったフランス国との共同研究の実施とりきめのその後について質問があり、これに対し、当方の最終的な案を提示しているが、返事が遅れているとの説明があった。

以上

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課総括班

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622

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